「転がる」を含む小説

ルーチェは何もかも奪われていた。母は義妹ソニアに毒を盛られて死んだ。ソニアはルーチェの義妹であるアンネッタを連れて後妻として伯爵家に入ったけれど、そこからルーチェの地獄が始まった…

　何故この愚かなる人間は、この場所に存在を許されて尚、今も息を吐き続けるのか。　 　如何様にすれば、僕の兄を魔物にしたいと願うのか。 　愚かで間抜けで腹が立つ、矮小で救済の余…

ある時は暗闇の中、ある時は大雨、ある時は卒業の時――。 日常に転がる空間を特別に切り取った一枚の絵画のようなショートショートの数々をぜひ。

　一条大和は、『あらゆる言語が母国語である日本語として聞こえ、あらゆる言語を日本語として話せる』という特殊能力を持っていた。その能力を活かし、オーストラリアで通訳として働いていた…

　人類がなんの前触れもなく滅んでしまった朝、夏めぐみは人類の生き残りとなった。死体の転がるなか、通っていた高校へ登校すると、教室にはもうひとり生き残りの女生徒が。 　石黒姫子。彼…

毎週日曜日更新予定！！ 　一人で無双する主人公が嫌い？ 主人公達が少人数で物事を進めていくことに違和感を感じる？ 生優しさや綺麗事で敵を見逃すのはあまったれのやること？ けっこ…

仕事終わりの帰り道。 毎日必ず通る坂道で、何かが上から転がってきた。

夏に転がる絶望。それは、わたし

　歩いていたら、足の裏にある肉刺（マメ）が潰れた。 　それはある種のメタファーだ。俺が人生を歩かない理由の。 　俺は仕事を辞めた。今年の春先に。 　特に理由があった訳ではない。…

転がったリップをきっかけにお兄さんと青年がどうでもいい話をするどうでもいい話。

一人の女の結婚〜離婚後までを歌いました。

山奥の旅館で正体不明の死体が転がる。満腹で腹が膨らむと推理力が安定する「僕」は恥ずかしながら「探偵役」に向けて事件の真相を話そうとしてみたり、してみなかったり。

通学のため駅のホームで列車を待つ俺は、投身自殺を目の当たりにする。混乱する俺の足元に転がる赤いボール。それを拾い上げた俺に、身の毛もよだつ悪夢が襲いかかる。「駅に潜むもの」の続編…

「しかし、なんだなあ、老いらくの恋は身の破滅だな・・・」 政五郎が妙なことを口にした。 「赤城の万次郎が、若い妾を溺愛して、四十八手本の女役にしたり、いっしょに歌舞伎見物に出かけ…

まもなく始まる、第1回カクヨム短歌・俳句コンテスト。 全くの素人ですが、せっかくなのでチャレンジしてみよう。けど、何を題材にしようか。どうせなら好きなものがいいな。 そこまで考…

無職になったので、田舎に帰り、 親の会社を手伝うことになった。 この職場には問題が多い。 問題の根本はわかりきっていて、 しなくて良いことが大半を占める。 働く俺は雪…

同じ中学だった女子と駅で遭遇した。 彼女とはさほど親しかったわけではないが、 学校帰りにぶらぶらと買い物をしながら、 中学校時代の忘れた記憶が蘇った。 ある日、スマホを失…

無口で臆病な『望月幸友』は友人の冨樫真也と下校中、謎の男に襲われ、友人を目の前で失ってしまう。 しかし後日目覚めると友人は生きていた。 この世界は現実なのか、この世界はどこなのか。

薄曇りながらも気温は高めな春も近付く、とある日。 いつも通りに身支度を整え、朝食を済ませ、いつものように家を出た。 自宅マンションを出て少し進む。 角っこを超えた瞬間、衝撃を受け…

転がる石にコケは生えないって言うけど。 ――いい意味と悪い意味があるぞ！