「瞼」を含む小説

とある時代の、とある場所。 何気ない世界の……けれど、誰かにとっては特別な場所で紡がれる、五つの物語。 ・彼女の名前 月に一度だけ出会う“彼女”と、自分でも気づいていない密か…

厳しい父親の元、ままならない空気の中で育った美織。親の意のままに生きることしかできず、望まぬ結婚をした末の冷ややかな家庭環境に、ある夜美織の心の糸がふつりと切れた。 瞼に浮かべる…

「あなたの日常は、どこにあるんだい？」 　温かな水が、私の指先から問いかける。 　私はわけがわからず、首を傾げる。 「……質問を変えよう。じゃあ明日の午前零時、世界が終わる…

せっかくカクヨムでやるからにはとカクヨムっぽさを出すつもりで、創作沼にハマった人の五年を書いてみました。 *十七句の季語（？）はKAC。カクヨムアニバーサリーチャンピオンシップ…

「ほんとうに、困ってるんです」

一年の大半を氷と雪に覆われた大地。 そこに住む一族の青年ワカツキは、雪の大地の下で氷漬けの白い何かを見つけた。 恐ろしさのあまりその場を去ろうとした青年に、何かの瞼が開きそして語…

誰かの声に起こされ、重い瞼を上げると、そこには妖精が飛んでいた……。 名前を聞かれても、自分の名前が思い出せない……四十五歳、バツイチ、農家であること以外は……。 そんなおっさ…

人生最大のイベントを前にして──死んでしまう主人公メイシン。 重い瞼を開けば、異世界で全てが終わった後だった。 どうやら、告白される数秒前に前世の記憶を……完全に取り戻せていない…

「よくも愛しのアメリナを苦しめたな！ 貴様の度重なる悪事は、全て発覚しているんだ！」 あの、何のお話でしょうか。って言っても、誰も私を信じないわね。 「婚約破棄だなんて生温い！…

生まれて初めて買ったコスメ、アイシャドウ。 スモーキーなブルー、オフホワイト、ソフトブラウン、オレンジの4色パレットに一目惚れ。 箱を開けると、小さな紙に「渚の彩り」と表記が。 …

【15000PV突破！　ありがとうございます！】 二〇二一年初夏六月末早朝。 蝉の声で目覚めたカガミ・ユーゴは加齢で衰えた体の痛みに苦しみながら瞼を上げる。待っていたのは虚構の…

夜の水辺に集まるヒトビトは小さな灯りを呑み下す。 それを海面から見上げる半透明の小さな海月。 淡い灯火の物語を二本仕立てでどうぞ🌙

かつて砂漠の部族を滅ぼしたのは「砂人（さじん）」と呼ばれる化物だった。 15年後、部族の生き残りの兄弟は、旅先の地下迷宮で再び砂人と対峙する。

赤い旋律が瞼の裏まで届いた。目を閉じていてもわかる現状。 爆風が人々を撒き散らし、砂埃の土臭い匂いと鉄の匂いが混じり合う。誰かが苦しむ声や、嘆く声が、私の心をさらに締め付けた。 …

　これは一人の女性が、瞼を閉じた後に不思議に出会う。そんなお話。 ・岡実　八重子の章 　カタン、カタンと電車に揺られる一人の女性がいた。彼女が疲れの果てにゆっくり瞼を閉じれば、…

生態AIの移植により欠損部を再生さる医療技術を狙う反社会犯罪組織。 それを阻止するテロ対策特別チーム。 反社会犯罪組織を壊滅させるためダミーの生態AIを移植された月人。 それから…

『天音 美羽』 21歳 21年前の12月24日クリスマスイブの夜、生まれたばかりの美羽は、教会に毛布1枚に包まれて、名前が書かれたものと一通の手紙と共に預けられた。 聖天音カ…

雨の粥さんからいただいたお題「妹が良かれと思って親友の瞼を鋏で切ってしまうお話」です。 もう本当にそのままのお話です、ぜひに🥰