「湿気」を含む小説

ある団体に贈呈するために書き下ろしたものです。 テーマが湿気だったので、それに従って描いたはずでしたが、いつのまにか全然違うものになっていました。すみません。

田舎に生まれた少女の死生観。鬱屈とした街の湿気、衰退という一種の美を、世界の匂いに敏かった頃を思いながら書きました。

第一回川辺の創作怪談会参加作品です

燻ぶったまま、決して燃え上がる事なく終わった彼女と15年ぶりに同級会で再会。 僕に謝りたいと言っていた彼女に、あの日、あの時一体何があったのか。

大学院で博士号を取得しても大学での仕事が見つからない有沢満流は仕方なく予備校講師として生計を立てていた。そこへ同じ境遇の旧友・平野瑛美が現れる。ドロップアウト人生を嘆く二人はやが…

６月に入り、湿気が多いこの時期に仁、詩穂、拓斗、陽那花たちは待ちに待った修学旅行。その行先は京都府。 だが、修学旅行前日に、木村刑事から協力を要請された。 その内容が、京都でテロ…

人形町の裏手にあるその坂は「生首坂」と謂われている。 　その謂れは戦時中の昭和の初め、学徒出陣できなかったひとりの学生が仲間たちの戦死に懊悩して祠を覆う楠の枝で縊死したこ…

　人間のありようは、やはり、自然とは切っても切れない、そんな関係にあるのだと思うのです。自然の反対の言葉として、人事という日本語があります。人員をどう配置するかなどと無粋な意味で…

雨の季節。じめじめ湿気。 JKの敵·····。そんな憂鬱な日々と戦う 現役女子高生 : 杉野彩音（すぎの あやね） 突然目の前に現れたのは 超絶かっこいいイケメン男子·····…

　ある日、目覚めたらインフルエンザウィルスに転生してしまった。 　湿気にも熱にも弱く、雨が降っただけで死滅してしまう虚弱体質でありながら、突然変異を繰り返しながら最強のウィルス…

BLを書きました。自殺した先輩が人魚になって、夏のぬるま湯のような湿気の中だとふよふよ浮くので、リードをつけておく後輩の話です。 元ネタは泉鏡花の「外科室」。

湿気と虫刺されでイライラしながら書きました。

“ふびゃぁぁぁぁあっ” パッとしない大学生のもとに降ってきた爆弾ーーそれは猫だった。 緊張感０の顔、涙で湿気た体、間の抜けたくしゃみ。不思議な猫との出会いは、やがて爆風となって…

　出稼ぎ労働者というのは悲しい身分だ。 　仕事は辛くてだるくて面白みのないものばかりだし、大変な割に給料はよろしくない。 　でも今回依頼されたのは、とある地区への簡単な配送業。報…

主人公・高峰竜太は、三日前に祖父・竜蔵を亡くしたばかり。遺品整理を頼まれた竜太は、ひょんなことから竜蔵が死後49日間の滞在を許された『中間霊域』へと迷い込む。そこで成仏できず、こ…

指の間に薄い膜が張り始めている。 目の前で河津が木津の前で忽然とカエルに変化したらどんな反応が返ってくるだろうか。トリックではない本物のカエルになるとしたら？ これで彼女の心を射…