「怪奇ファンタジー」を含む小説

「君には今日、少女との出会いがある。彼女……殺……くれないだろうか？」 　新学期、ライルのもとに所々読めなくなった手紙が届いた。 　ライルは手紙にあるとおり二人の美少女と出会っ…

夏休み間近。沙羅農業高等学校 オカルト研究部夏休みにどのような活動をするのか悩んでいた。部長である浅見 遥香による発案で、百物語の調査を行うにあたり、部員自らが百物語をすることに…

頭と記憶を失った少女ロサ。 ゴミ捨て場と呼ばれる薔薇の地下牢で目覚めた彼女は自分と同じ頭のない猫に助けられた。 猫から頭を奪ったのは城主である首刈り女王だと知らされたロサは頭と記…

人が死んだら雨が降る街―エチャーリクロプー 　そこは死が管理されていた。 　　高く分厚い壁に囲まれた、貧富の激しい街。 そこに住んでいる、命泥棒と呼ばれる“不死身(ルオヴ)”の…

ある日、田中正義はクラスメイトの日向かなめが自殺未遂する場面に遭遇する。間一髪で彼女を助けた正義は、彼女に密かに恋心を抱くようになるが、数か月後にかなめは失踪してしまう。 彼女…

第43回横溝ホラーミステリー大賞一次選考突破作品 朝、足元に気付かずに、蛾を踏み潰してしまった。 白く丸々と肥えた、雌の蛾だった。 それからというもの、女子大生の樹（いつき）…

　生まれつき霊が見える不思議な体質を抱えた少年は、気まぐれの登山で出会った謎の少女に導かれるようにして、人には決して辿りつけないと思われていた場所――天狗の隠れ里に迷い込んだ。そ…

風変わりな遺言によって、祖母の遺骨は森の中の泉へ葬られた。 遺品整理を行うなかで、祖母が少女だった頃の日記を見つけた「私」は、不思議な記述を見つける。 それは、若かりし頃の祖母が…

皆は雷をどう思っているだろうか？ 怖いと思う者、きれい・かっこいいと思う者、うるさいと思う者もいるだろう。 その写真を撮る写真家も中にはいるかもしれない。 でも、いいものと思っ…

悲しいかな、小人ほど大それたことを行いたがる。 英州の高拓海がそうであった。 たとえ能力があろうとも、正しく用いなければ却って自らを傷つける。 英州の高拓海がそうであった。 これ…

地味な大学生活を送る私の前に現れたのは、自称死神の青年。彼は私の自宅に侵入した霊を追い掛けて来たと言う。付き纏うようになった彼と段々と仲良くなっていく中で、私は忘れていた記憶を思…

　この世で暗躍する「呪縛解き」。彼らは彷徨う亡者・化物の呪縛を解き、討伐できる唯一の存在だ。彼らの行動はすべて極秘であり、その活躍が公のふれることはない。どれだけ影の存在であろう…

　客の来ない探偵社『バラウル』。 　この探偵社の探偵であるエドワードはかの有名なヴァンパイア狩りの末裔だった。 　先祖代々ヴァンパイア狩りを生業としてきた彼だが、彼は先祖とは異な…

真夜中って、何時なんだ？

奇怪な連続殺人事件の発生により、世界に激震が走るその最中、その事件へ興味深々な冴えない私立探偵であるアイヴィー・ライブラのもとへ一つのある依頼が舞い込む。その依頼を調査するアイヴ…

八尺坂にやってきたアズマとスカーレットのはみだしテイカーズ。 駅についた直後、異様な程に張られた行方不明者の手配書を前に、何か不安な物を感じる二人。 逃げるようにデパートに入った…

高校三年を迎えた桔津平（きっぺい）と谷中（やなか）は腐れ縁の同級生の臥竜（がりゅう）から昔からある怖いおとぎ話を耳にした。 初めは冗談で何とも思っていなかった桔津平が、その夜中か…

「なあ知ってるか、心臓の取り出し方」 三学期最初の朝だった。転校生の市川知佳は、通学路で拾ったりんごに導かれるようにして、学校の屋上に足を踏み入れる。 そこで待っていたのは、…

古代遺跡から蛇の死骸とミイラが見つかり、考古学の教授が失踪してからしばらくした後、世界中の人々に大蛇が巻きついた。中学生の中島梓の母親も例外ではなかった。梓と友人の亜紀だけはなぜ…

峠の語源は「手向け」が転じたものである。 急坂の頂上にある草ぼうぼうの領域へと目が向く。 　子どもは急坂を登りはじめる。足は自然と廃屋へと向かった。 「手向け」の場所は、ひと…