「もう少しだけ」を含む小説

「すごーい！　橙君すごーい！！」 「たかーい！　橙君たかーい！！」 「ねえ、橙君。そこからの景色はどう見える？」 「ほら！　橙君。滑って降りてきなさーい！」 　先生がいた。…

読んでいて「あれ、時代は？」と困惑される方がいらっしゃるかと思います。平成です。舞台は平成、しかし我々の現実とはどこかパラレルのような関係にある、そんな世界です。男は帯刀し、恨み…

幼い頃から目指していた夢に挫折し、恋人に振られて、学校を退学になり、唯一の肉親さえも失って失意のどん底に落ちた主人公【赤羽紡】は自分の人生を終わらせようとしていた。 プラットホー…

　危なかった。もう少しで元の世界に強制送還されるところだった。 　地球には何の未練もない。そんな僕にとって唯一の家族とも言える彼女達に別れの挨拶さえできないのは許し難いことだっ…

僕は最近、塾の帰りに少し遠回りして帰ることにハマっている。 家に帰りたくないわけじゃない、でもなんだかもう少し外の空気を吸っていたくて......。

「あなたに、もう一度会えたなら。」 生きることに疲れた少年少女は、気づくととある駅に着いていた。そこで彼らが出会うのは、一人の不思議な少年「リサト」だった。 彼との会話の中で、今…

人間、エルフ、ドワーフ、オーク、ゴブリンといったお馴染みの幻想世界種族が共存する社会で、都市の治安維持に努める面々の悲喜こもごもの姿を描いている。つもり。 今から3年くらい前に…

とある勇者パーティに所属している魔法使いのミリア、魔王カースが残した「魔の種」から生まれた魔王カノンの世界征服を阻止するべくかつて先代魔王カースを打ち倒し英雄とされていたレオンの…

　犬を飼っていると、犬が死んだときのことをいつも心配してしまいます。私だけではないようで、「人間が死ぬよりよほど悲しい」とか「たとえようもない」とか「死んだら剥製にしようか」とか…

オンラインフードデリバリーでバイトしている少年、蓮見悠雅(はすみゆうが)はある日、同じクラスのギャル系美少女、静樹水織(しずきみおり)の家に配達をすることになる。 だがドアを開け…

2022/06/08　追記 本作は間もなく非公開予定 MSGのゼロからVではなく、ゼロから英雄譚になっていく物語にするには？という思考実験。 よって、序盤がゼロに近すぎる。つまり…

桐谷破魔という名前が俺の名前だが。 破魔っていうかもう少しまともな名前は無かったのだろうか。 そう考える日々が続く春の有る日。 俺の家に同居人がやって来た。 ちょ、何でだよ。 …

自作について、解説を少しだけ。 補足だったり考えていたことだったり。

　夕立の降る八月某日。とある一軒家のリビングで、大学二年生の「僕」は、二つ年下の女子高生の「後輩」と二人きり。もう少し仲良くなりたい、と「僕」が取り出したのは自作の掌編小説だった…

ベース少年の楽郎。突如部屋に現れた紅乃。何やらベースに名前つけたから人間の姿になったらしい。いちいち注文が多いだよ。好きに弾かせろよ。

最近若き伯爵付きの侍女となったシルヴィーは、頭の回転が速く有能な女性である。しかし、伯爵は彼女が優秀すぎるがゆえに困っていた。 ――会話が続かない。 常に思考を先読みされ、聞く前…

ここは、物語が浸透した世界である。 ドラゴンと人が固い友情で結ばれ、長く栄えた水楼閣と城壁の美景を誇る「城壁都市」。今は滅び存在だけが伝説の中に残された都市が発掘され、眠りから覚…

師匠のアタシ。弟子が一人。 ――私は、弟子に隠していることがある。 第二回こむら川小説大賞参加作品です。テーマは「擬態」。