「純文学短編 短編」を含む小説

初めての告白、初めてのキス。 時々、心の状態とはちぐはぐなことを考えている、高校生の初恋。

何が物語のヒントで、何がヒントではないのか。 ヒントが続々と増えていくうちに、すべてのヒントは軽量化されてゆく。 中心の存在しない、推理無用のドーナツ化小説。 ※この作品はブロ…

子供の頃に拾ってきて、実家で飼っていた猫を思い出しながら書いた短編です。

自分の思う純文学とは何かを書いて探っていくつもりです。 一話一話独立した内容になっているので、気になったタイトルがあれば読んで頂ければ嬉しいです。 気に入らないタイトルはスルー。

どうしよう、と思っていると、お母さんが「早苗」と呼んだ。私は顔を上げた。 「早苗、よく聞いてね」 両親の離婚を聞いた女の子と同級生の男の子の話。 よくあるような家庭問題を暖かなラ…

ある日襲いかかってきたクーポン包囲網、あるいはクーポン・ハラスメントにより、久本券太郎はクーポンの鬼となる。 クーポンにとり憑かれた男が送った、何割引かの人生。 ※この作品はブ…

幼い頃に母が死んだとき、私は三歳だった。 父が仕事から帰ると、倒れた母にかかったイチゴジャムを、私は一心不乱に食べていたらしい。 フクロウは母親を食べる。父はよく、私に言い聞か…

「次は紫陽花の話なんだ。苦労して書いたから、ちゃんと取りに来ておくれよ」

｢花って、どうして綺麗なんだろう｣ 知っているかい？と柔らかく笑うその顔が、ずっとずっと好きだった。堪らなく、好きだったんだ。

一話一話で独立した作品で、それぞれ短いので、好きなように読んでいただければと思います。

――人間も同じかもしれないね。無数の人間の集まりが『人間』なのであって一人ひとりの主張は強くない。生まれて、死んでいくだけだけれど、それが連続して――　　 夜光虫の光と寄せては…

　ある時、世界は隕石による滅亡を言い渡され、大混乱に陥っていた。 　そんな中、変わらず病室に向かう一人の少年がいた。彼は余命残り僅かの少女の元へ、今日もやって来ていた。そして、二…

「なるほど。一理ありますね」 男はそう言うと、いつも予想外の行動に出る。 いつだって一理ある男による、一理すらないかもしれない物語。 ※この作品はブログ【泣きながら一気に書きま…

病により、とある薬を飲み始めた男は、度々睡魔に襲われるようになる。病の治療も兼ね、男はみた夢を手記として残していくことにした。男の睡魔は次第に激しさを増し、夢の内容も移り変わって…

過去に「500文字の心臓」というサイトのタイトル競作に投稿したものです。 （なのでタイトルのみ、自分で考えたものではありません） 1分前後で読み切れるサイズの小品なので、ぜひ。

僕たちはどうして懐かしさに惹かれるのだろう。 心地の良いノスタルジー。郷愁感。 子供の頃に聞いた音楽や作品を、妙に愛おしく思ってしまうのは、どうしてだろう。 波の音は、僕たちの…

原因不明の白蝋化。進行を止めるには、切除しかないとの宣告。 ジュエリークラフターの結理恵にとって、左手を失うことはクラフターとしての生命を断つことと同義なのだ。 結理恵がくだした…