ただただ、可愛い。

短編のラブコメって、短編だからこそ急ぎ過ぎるきらいがあって。
だからガッカリさせられるものが多いんだ。

なんでそこでいきなりキスするかな、とか。
ただのエロ展開じゃん、とか。
その流れ、無理やりっぽいよ、とか。

でも、この作品はそんなこと全然ない。
たったこれだけの長さで、ちゃんと少しずつ少しずつ、
じわりじわりと近づいて行く二人。
酢酸カーミンだったり、アポロだったり、俳句だったりするんだけど、
それがこっちにも伝わって来て、めちゃめちゃドキドキしてしまう。

なんなんだこれ、凄い可愛いぞ。
なんで私がドキドキしてるんだよ？

この気持ちの高鳴り、このドキドキ、そしてこの穏やかな気持ち……例えるなら、そうーー。

彼女の考えていることはいつもハイセンスで秀逸。

どれも言葉のチョイスが素敵で、読みながら自然と笑顔になれる作品です。
個人的には、アポロ11号のところが結構好きです。

文学少女、恋愛、青春、この辺りのワードが好きな方におすすめです♪

急接近の二人。

これも、あるねあるねと読み進められてしまいます。

何よりも美しいラストの為に、その他の全てがあるのかも知れません。

是非、ご一読ください。

ひねもすという言葉には、のんびりとした空気が似合う。
のたりのたりがくっついたせいかな。
一日中でも、終日でもなく、波でも見て過ごしましょうか。

大事な局面にまったく違うことを考えてしまう主人公。
強いのか、逃げてるのか、不思議なの。

そんなことを恋人に見透かされて、それでもいいって
言ってもらえるなんて、めっちゃ羨ましいね。
なかなかこんな女の子いないから、大切にしよう。

インディゴカーミン溶液と告白の関連性についてレポートせよ。

手をつないだシーンにアポロ11号の船長の言葉は、とても似合う。

　主人公には好きな人がいて、その人といるとドキドキする。でも、ドキドキすると違うことを考えてしまう癖がある。例えば告白された時は、科学の実験を思い出していた。手をつないだ時には、アポロ11号について考えていた。そして抱きしめられた時や初めてのキスの時には……。
　ちょっと変わった癖を持つ主人公に、思わず共感して初々しい感覚で味わえる作品です。この作品が持つ独特の空気感は、読まないと分からない！　多くの人に二人の距離感が徐々に縮まって行く、あの感じを感じ欲しい。そして、抱きしめられた主人公が言葉を巧く見つけられなかった感覚も。
　ほのぼのとしていても、中身がぎゅっと詰まった濃厚な青春恋愛小説。短編とは思えない爽やかな読後感が味わえるのが、とっても魅力的。
　是非、ご一読ください。