「ショート・ストーリー」を含む小説

　かつて遠い遠い昔、人間たちが都市を築き、動物たちはその影でこっそりと暮らしていました。その中に、猫のトムと鳩のジェリーという二匹の仲良しがいました。 　トムは、人間の愚かさを…

　炎天下の昼の後、ほんの少し夕立ゆうだちがあって涼しい風が吹いている。冷房が壊れたままの彼女の部屋で彼は異国の慣れない暑さに戸惑いを隠せずに、竹でできた敷物の上にべったりと寝転ん…

辛い文字が多い世の中、毎日1000文字くらいで軽く読めて、ほんの少し心が暖かくなるような、キュンとしたショートストーリーをお届けできたら幸いです。 100件を目標に頑張ります。

いつも通りの日常に満足しているつもりが、意識の底では… そんなお話。 ↓同シナリオで動画も作っているのでよかったら見ていってください😊 https://youtu.be/…

　ある時代、ある場所、ある時間を布に織ることができるという一人の女性がいた。 　彼女は織り機を使い、絹のように滑らかな時間の糸を紡ぎ出すことができた。 　人々は彼女を「時の織り手…

　その冬の日、降りしきる雪はやがて全てを覆い隠すだろうと、人々は予感していた。私は、ひときわ静かなカフェの片隅で、コーヒーを手にして窓の外を眺めていた。 　カフェの奥には、古び…

この世界には決して開けてはいけない宝箱というものがある。 その宝箱の中には数々の危険な物語が封印されている。 世に解き放ってはならない…。 ……………… (色々なショ…

　細く白い指に挟んだ茶色の煙草。赤い唇に近づけては離しを繰り返し、彼女は白い息を吐く。　コーヒーとの相性は最悪で口中に広がる不味い味が、いつもたまらなく気持ちが悪いのに毎回繰り返…

普段思ったことや考えてることを小説風にアレンジしたもの。オチはあったり無かったり。息抜きに書いてるので息抜きに読んでいただけたら嬉しいです。

『そういや、付き合ってるんだって？』　目の前に座っていた二宮にのみやがアイスティーを一口含んで嬉しそうに笑って綺麗な顔にかかった長い髪をさらりとかきあげた。　二宮はサユの幼馴染、…

　弓術大会に参加する弟子のネロを王都に連れてきた魔女のデリルは、ついでに先日マリー（勇者と共に魔王を討伐したメンバーの１人で金銭管理をしていた）に預けっ放しにしていた通帳を記帳し…

一人一話。 三話で一話のショートストーリー。 高校最後の三月。 三人はお互い別々の道を進んでいく。 いつでも会えるけど、この気持ちではもう逢えない。 そんな話。

ぴゅうと風が吹き込んで木々を揺らしている。赤い花の刺繍の着物を着た山神は小枝の上で座り遠くを見つめていた。もうこうして数年待ちわびているのに帰ってきやしない。山のふもとから嬉しそ…

藍色の空が紫に変わっていく。そこから漆黒に染まる頃には星がゆったりと顔を出す。今夜の月は丸く、見上げた戦儀雨芽（そよぎあめ）は顔色をにごらせた。コートの襟を立てて視線を低くする。…