「さよなら 声」を含む小説

　岬はある日、自分の目にしか見えない（その声も自分にしか聞こえない）不思議な白い光の塊のような妖精さんと出会った。

音高１年生の彩加は、家でも母親のレッスンでピアノ三昧の日々。ある日、嫌気がさして、近づいてはならないという裏山まで足を伸ばしたところ――巨大な朽ちたロボットの頭と、『カラーズ』と…

同じ丈に揃えられたスカートを揺らして橙色に染まった廊下を駆け抜けた。 チープな香水の匂いとプチプラの化粧品で彩られたあたしたちの顔までお揃い。 かしましい声が響いて耳に痛い。 …

セーラー服には、いい思い出がない。ただ一つ忘れられないのは、低くて甘い国語教師の声だった。同窓会の日、私は勝負に出る。

夏休みが終わった。 道端に蝉（せみ）の死んだのが落ちていて、じりじり近づいたら急に羽ばたいたから仰天。 うぉおい！　びびったぁ！ 俗に言う蝉爆弾。 夏の日の爆弾はいつの世も心臓に…

見下ろせば 知り尽くした 都会は 雨 さよなら 言えるはずもない きみの 声 無理に嗤えば なんて セクシィ 妙に惹かれる 最後の 時間 （寺尾聡 シャドウ・シテ…

平凡なフリーターであった青年、呉羽飛鳥はある日トラックに轢かれてしまう。 次に目覚めるとそこは緑あふれる森の中。蔦にまみれた寝台の上だった。 話しかけてくる謎の声に導かれるまま彼…

　一年前の事件によって、薫と美緒はひどく傷ついた。画面の割れたスマートフォンのように、表側だけ取り替えて、何事もなかったかのように生きてきた。それはまるで、『世界の端』に取り残さ…

　声が有れば、君に届いた。 　声が有れば、君を救えた。 ─────── ◇全六話完結。

名探偵の八尋は、その天才的な頭脳で事件のトリックと犯人を見事に暴き出した。 そのとき、助手の田原が声を上げた。

貴方の声が聞きたくて…… 貴方の顔が見たくて…… 貴方の傍に居たくて…… でももうそれは叶わない｡ 私が我慢すれば良かったんだ……｡ 貴方にばかり押し付けてごめんな…

木ノ下　絢。 大人しいけれど、大体クラスの中心にいる。 ふわふわのウェーブがかかった髪の毛は少し色素が薄い。 タレ目で優しげな表情が印象的。 声は小さいけれど、頑張って大きな声を…

消えてしまいそうな声が 僕の耳に とどいてたのに 僕は 背を向けたんだ

人が生きていくうえで小さな無数の命が犠牲になっていること忘れないでほしい。文学的に、ディープでカルト、どこまでも突き抜けるほどにカオスなお話を５話収録。【迷い犬、ポチの涙】【おら…