「拝啓」を含む小説

死んだ父が、映画人となった理由には、 一人の天才映画監督の姿があった。

　『創造論者の悪夢（クリエイショニスツ・ナイトメア）』 　……こんなかっこいい異名を持つ生物をご存知だろうか？ 　ーーそう、『カモノハシ』である。 　 　結論から言うと、こ…

気候によって移っていく原稿用紙と、一人の女。

エスメラルダ神聖帝国。 長年この地は、異能｟スキル｠を授けられた人間の家系が王侯貴族となり覇を争う魔境であった。 そんなちょっぴりハードな世界に放り込まれた不運極まりない現代人…

事件、陰謀、派手な魔術に必殺技、異世界野球やグルメにサメにとなんでもありの美味しい所詰め合わせパック的異世界ファンタジー。 どこにでもいる平凡な高校一年生の朝倉春は幼馴染を不良…

予知夢を見れる、谷元澮は、予知夢を見れることを隠しながら生活していた。それは、自分のためでも、他人のためでもあった。しかし、ある予知夢を見て、澮の心情は、川の流れるように変わって…

「殺伐感情戦線」の「期待」参加作品です。 文通相手のひとみさんと心を通わせるうち、夏休みを使って東京で会う約束を取り付けた「わたし」。その間も欠かさず、手紙は書き続ける。

最初は白紙にしようと思ったけど、それじゃ君は泣いちゃうよね。 喜ぶかな、君は私の手紙をもらって。 うるさいだなんて手紙を読みながら言うのかな。 泣かないで、なんで言いたいけど、私…

女子校出身の律子が、大学生になって恋をする。 思い出すと、ちょっとイタいけど胸が締め付けられる甘酸っぱい恋だった。 当時の日記を元に、思い出しながら書きます。

　夏はもう終わるのか？ 　散歩に出てみても秋の虫が鳴いている。 　大丈夫なのか？ 　夏は。

妻を殺した夫はある日耐え切れずに旅へと出る。妻との思い出を、インクに滲ませていく。 ヴィクトリア朝のような時代感。男尊女卑描写があります。

「お金が、ない――」 拝啓　去年のわたし 知ってました？ お金がないって、やばいんです。 お先真っ暗。ほんとに真っ暗――。 なんとしてもバイトがしたい女子大生・鏡餅子が偶…

とある街の少年が少女に叶わぬ恋をした話｡ そんな叶わぬ恋の結末とは……？

拝啓、懐かしのお父様、お母様、妹のアニー 私を追い出してから、一年が経ちましたね。いかがお過ごしでしょうか。私は元気です。 治癒の能力を持つローザは、家業に全く役に立たない…

拝啓 過去の私へ あなたは愛されてるんだ。 今は分からないかもしれないけど、不器用ながらも伝えようとした愛を自分の手で掴んでください。 それがあなたを救うのです。 哀しい思いをし…

反転

私の人生は「健康」そのものだった。 この世に生を受けてから、一度も入院したことはない。 小学校の時には皆勤賞なんてものももらったし、怪我もかすり傷くらいで今まで生きてきた。 そん…

『わたし』は、母へ返事を綴る。