「和風ファンタジー 短編」を含む小説

気がついたら、私は夏祭りの屋台通りにいた。自分が誰なのか、今まで何をしていたのかすら思い出せない。どうやら、ここは現実世界とは別の空間。元の世界に帰るためには、自分の面を見つけて…

人魚の話です。 暗めです。

「一大事よ！　妖怪変化よ！　百鬼夜行よ！」 お嬢さんはいつものように、書生部屋に駆け込んでくる。 開明から三十余年。 元気いっぱいの男爵令嬢と 平穏に生きたい書生が 開国帝都を駆…

「ずっと咲いている桜があるんだって」 幼馴染の柚はそう言った。 （E☆エブリスタでも掲載）

【日帰りファンタジー短編コンテスト参加作品】 女子大生の市川真音（いちかわ　まのん）は、気がつくと見知らぬ人の家にいた。 家の主である女性は、名を呉葉（くれは）といい、交通事故…

水底に抱かれ眠るうつくしい女に、少年は供物として捧げられた。 『山神の娘』と呼ばれる、異形の血を引く末裔の女――蝶。 蝶の『供物』たる少年、夜杜。 繰り返される言葉の、結ばれ…

その館の地下深くに、その鬼は眠っている。 人の生き血を生きる糧とする不老の少女、蝶子。 その餌として飼われる妾の子、棗。 ふたりの歪み狂ったその果て。 永き時を終わらせる、鬼…

茹だるような暑い夏の日、田舎の山奥で彼に出会った。

十年に一人の人身御供として禁忌の森に入った少女は、異形の大鴉に出会います。共に暮らしている内に、少女は彼のささやかな願いを知りました。

息子によって更科の山の中に捨てられた姨は、陽炎を纏う銀狐に出会う。 姨に若さと鵺を従える力を与え、復讐するように囁く銀狐。姨は都を滅ぼし、故郷に戻り息子と対峙する―― 小説家に…

仕官のかなった浪人・又之丞だったが、与えられた屋敷は化物屋敷だった。 安泰を得たはずの生活は思わぬ手柄によって波乱を含み、関わりたいと思ったわけでもない地神、妖獣、巫女たちは、は…

とある山に、一匹のオオカミが棲んでいた。 ある日オオカミは、山で泣いていたこどもを家まで帰してやる。 それからというもの、度々こどもの家に食べものを運ぶようになるのだが…。 孤…