概要
館の地下深くに、そのうつくしい鬼はいた。
その館の地下深くに、その鬼は眠っている。
人の生き血を生きる糧とする不老の少女、蝶子。
その餌として飼われる妾の子、棗。
ふたりの歪み狂ったその果て。
永き時を終わらせる、鬼と贄の和風幻想譚。
人の生き血を生きる糧とする不老の少女、蝶子。
その餌として飼われる妾の子、棗。
ふたりの歪み狂ったその果て。
永き時を終わらせる、鬼と贄の和風幻想譚。
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- ★★★ Excellent!!!邸の地下で眠る少女の、愛と自由
古い名家の地下で眠っている少女・蝶子と、彼女の『餌』である青年・棗の、十数年にわたるいびつな関係をえがいた短編です。
蝶子は吸血鬼のように家の人間の血をすすって生きています。
年をとることもなく、他のものを口にすることもなく、ただ血を与えにくる棗を待つだけの日々を送っています。
彼女はいつか棗を殺して自由になると言いました。
しかし、彼女にとっての自由とはいったい何だったのでしょう。
まだ家の歴史が始まったばかりの頃、彼女は家族に与えられる愛を胸に生きていました。
人ならざるものでありながら、今の家の腐った人間たちよりよほど人間らしい情をその胸に秘めていたように思われます。
彼女は家族…続きを読む