「蓋」を含む小説

荷物持ちのガザルは勇者パーティに誘われ随伴していたが、蓋を開けてみれば中身はおおよそ荷物持ちの重要性など知りもしない連中が取り仕切る、空気の悪いチームであった。 さすがに今年で…

　餡藤（あんどう）呂偉子（ろいこ）は、公園のベンチで休憩している最中、ある光景を目にする。それは、地面に横たわっており、微動だにしていない猫の体を、男児が熱心に触っている、という…

世の中には、二種類の異世界がある。 きれいな異世界と、 汚い異世界だ。 カップラーメンの蓋を開けた僕に降りかかる、たった三分間の、奇妙で、ダーティーな災難。

身も蓋も、骨も皮もない。でも血はあるかもしれない。そんな話。

引っ越し先で見つけた、ガチガチに蓋を閉められた段ボール。 見ればわかるのに、『段ボールです。』だなんてご丁寧な張り紙がその箱には貼ってあった。 開けてみたが中には何も入って無い。…

タイムリープをしたと主張する彼女は、ある日突然僕の目の前に現れた。どうやら彼女は、僕を死の運命から救うためにやってきたらしい。当時小学生で純粋だった僕は、予言通りに起こる事件を盲…

東にある大陸、クレセリア大陸に一件の雑貨店がある。 その名はクレアルド雑貨店。 その雑貨店の店主はクレアルド・ノーティス、転生者だ。 古今東西色んな商品を扱ってはいるが、お店はい…

小学校五年生のさやかは、夏休みに花屋できれいなお姉さんと知り合います。 プールに通いながら、そのお姉さんと親しくなり、お姉さんのことを想うようになってゆきます。 ところが……。

彼ら"星屑生命体"通称"ドール"は文字通り、空から降り注ぐ流れ星の力を用いて作られた人造生命体である。 そして、星の力を用いた影響もあるのか彼らは空に星が浮かぶ刻にでしか行動でき…

　彼らは皆、神から与えられたと思われる『職』を持って転生し、空っぽの世界『リリアン』で、前世での知恵や知識を活かし暮らしはじめた。まずは生活の拠点を作り、そして食料や素材調達を兼…

目が覚めると、私は精神科病院にいた。 ※連続短編の八作目です。…だったんですが七万字超えてしまったのでこれもうわかんねえな…

苦手と言うほどでもない筈だが、女の子に話しかけるのは難しい…。でも、僕だって、女の子を好きになることはある。そして、意を決して… 私って、性格暗い訳じゃないと思うんだけど、空気…

「観測されない。存在することすら許されない。そんな私たちに、価値なんてあるの？」 　もう誰の目にも止まらない小さな田舎町に住む少年、和兎は、ある大雨の夜に、一人の少年を拾う。 …

幼い頃に母を亡くし孤児として育ったレイラは殺し屋としてモートン卿に雇われていた。感情を無くし、無慈悲に人を殺めながらも罪悪感に蓋をする日々を送っていたレイラ。そんな中、モートン卿…

あなたには『朝の出社前に郵便受けを確認する』日課がある。 いつものように、郵便蓋を開けると、不思議なものが入っていた。 宛名も、差出人も、切手もない、真っ黒な手紙だ。

ケイジはアルバイトから逃げ出した先で、トウコさんと出会った。 「貸本屋をしている者です。ぼく、少し寄っていかれませんか？」 ケイジが貸本屋に居つくようになったある日、トウコさんが…

New花金Day参加作品です。 毎回お題に沿って500〜2000字で綴ります。 とある幼馴染の物語 第1話【マンホールの蓋の下】 第2話【老婆】 第3話【無知】 第4話【矛盾】…

時が止まった教室の中で過ごしている水無月 碧（ミナヅキ アオイ）は自身の存在を疑うほど謎の空間に閉じ込められていた。 そんなある日。彼は教室内で謎の現象に巻き込まれ、身体が吸い…

彼は、その日二度死んだ—— ゲームを何より生きがいとする大学生、葉鳥　蓮(はとり　れん)は、趣味に時間を捧げて寂しさを満たす毎日を送っていた。 いつも廃人一歩手前までゲーム…