ある化物の戯言
鍵崎佐吉
赤
それは誰にとっても、最も身近なものだった。
ある者にとっては、それは忌まわしい穢れだった。
それは誰にとっても、必要不可欠なものだった。
ある者にとっては、それは大人の証だった。
それは誰にとっても、痛みと傷を知らせるものだった。
ある者にとっては、それは崇拝の対象だった。
だがある化物にとっては、飲み物だった。
化物はだらしなく笑いながら言った。
「O型が一番美味い。蚊と一緒だな」
蚊にとっては、どうであろうか。
美味いのだろうか。
それは誰にとっても、永遠の謎だった。
ある化物の戯言 鍵崎佐吉 @gizagiza
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます