「眺めた」を含む小説

昼の町には、色がついている。 夜になると、色は消えていく。 そして、今日も町は夜を迎える。 残された猫は、独り、天に届く塔を眺めていた。

純粋に過去の自分が抱いた疑問。高速道路を走る車内からおでこを窓にべったりとつけて空を眺めていた。 純粋な気持ち、視点は普段見えているものをガラッと変えてしまう時がある。

愛する人を亡くした僕は彼女と過ごした公園にいた。今年も綺麗に咲く桜を眺めながら。 題名を見てピンと来た方もいらっしゃるかもしれませんがUNISON SQUARE GARDENの「…

砂抜きで塩水に浸けられている浅蜊（あさり）たちは、数珠玉の実の色に似ている。 子供の頃、数珠玉の実の中身を穿り出すのが好きだった。 出てきた中身は愛おしかったが、外殻は祖母に渡…

マンモス女子校の用務員を勤めることとなったガテン系の霊能外法者は、元気と幸運が取り柄のギャルとともにとにかく廊下を走って走って走りまくる。そんな様を色んなチカラを持つ乙女たちが呆…

私は、 子連れ 職なし 家なし 精神を病んで 行政のお世話になっている 自室に敷きっぱなしの布団 毎日、天井に張り付いた丸くて白いライトを眺めている そんな中、一念発起して…

とある草原に住む遊牧民の少年「七宝族の誉（ほまれ）」は羊の世話が終わった夜、弟とふたり月を眺めていた。 そこに小さな小さな機械の鳥が白い夜明けを運んできた時、彼の世界は崩壊する。…

バレンタイン短編（https://kakuyomu.jp/works/16818023213417022139）公開中です！ 片想いの幼馴染に告白する勇気が出ないまま卒業してし…

　未華子は、二十歳。専門学校に通っている。学校が終わると、アルバイト先である個人経営の店【和食処　悠の里】へ直行する。その店の親方は、最寄り駅の商店街で和食店を古くから営んでいた…

進学校でもなく底辺校でもない、普通の高校に入学することになった黒田悠（ゆう）は入学式、自分のクラスの教室に入ると、桜が舞っている外を眺めている女の子に何故か目が離せない。これが僕…

　 　時は西暦22××年。春のこと。 　未だとりあえずスマホというテクノロジーは手放せないようで、しかし小さな画面をいつまでも首を曲げて眺め続ける、というのは頭も目も疲れてしま…

　本年29を迎える末松 敏郎。 　会社で失敗を押し付けられ首になり、公園のベンチで子供が遊んでいるところを眺めていた。 　そこに一人の女の子が敏郎に近付いて来た。 　そこで彼女が…

どこにでもいる普通の青臭い小学生、大野人良。クラスメイトから聞いた話によると、どうやら流れ星に願い事をすれば、願いがなんでも叶うらしい。それからのこと、大野は寝る前に空を見るこ…

ヒトが植物人間になった終末世界。 滅びゆく世界で人々は死に場所を選ぶようになり、 サラもまた旅をする一人だった。 そして彼女は墓標に辿り着く。 2024.01.29作 ※書きか…

公園にいる彼は、誰にも相手にされない遊べない少年である。 彼はいつも空を眺めていて、寂しそうにしていた。 けれどある日、彼は変わった少女に出会った。 耳に障害を持った、小さ…

何をやっても上手くいかない主人公は、毎日スノードームを眺め続けた。雪の降る小さな世界の中に、彼女が見出したものとは？

ある日のこと、雨上がりの空に虹が架かっていた。特に感慨も無く眺めていたら、虹のちょうどアーチの天辺のところに、亀裂のようなものが見えて…… 虹のかけらを拾った人が出会った不思議…

「僕、来年死ぬんだ」 　同じ高校に入学した少年、結城佑は言った。 「私、時間を戻せるんだ」 　南浜高校の二年生である茜瑞希はそう返した。 　誰とでもすぐに仲良くなり、人懐こい佑は…

深夜のコンビニバイト始めたけど初日に魔王来るし、お代の代わりにきゅうり置いていく奴が来るし、正直続けられる自信がなくなって来ました。 人魚姫がエロ本を眺めて肉まんを買いに来たり…

　土手に座ってぼんやり川を眺めている青年の元に、知人が慌てた様子で現れた。なんでも、彼らの所属する組織のリーダーが、逮捕されたそうだが、一報を聞いた青年は特に反応せずに、あること…