「溶けた」を含む小説

昔何かの三題噺で書いたものです。

北のまちでは雪が溶けはじめ、南のまちでは草花の芽が地面からのぞき、お花のつぼみがふくらんでいます。春が近づいているのです。 けれど、春の訪れをつかさどる春の子は、なかなか起きてく…

2023.2.22〜。一般的な女子高校生（？）柚木美柑〈ゆずきみかん〉が平穏な日常生活を望む中、式神を使う少年や猫のような友達と交流して、今の自分を見つめ直していくゆったりとした…

　あれあれ？　おかしいぞぉ～？ 「キミを愛することはない」と言われてネロ殿下と結婚したマリアンヌ・ゼロス伯爵令嬢。 　愛は無くともフリーダムを期待して結婚したものネロ殿下…

　地下室で、ファクティは水音と共に闇に溶けていた。マガに聞かされる外の話に憧れを抱きながら。 　けれど、マガはそのお願いだけは飲むことがなく……

桜の木の下で、私はぼんやりと空を眺める。 春の風は、あたたかな何かを運んできてくれるのだ。 こちらの作品は、フィンディル様の自主企画に参加させていただいています。

熱帯夜、カーテンを揺らすエアコンの風、タバコ、燻らすバニラ、飲み干したブランデー。グラスの汗に擬態した涙、遺された金属の鍵、溶け落ちた氷。分かっているのに愛してしまう、それが美学…

音楽家になりたかった。 巨魚を操作し、 荷物を運搬する仕事に就いていた深島は、 最後の業務に移る。

ある日、地球は崩壊した。 衝撃波によって吹き飛んだ岩盤はいくつにも空中分解し、縦横無尽に、無差別に世界中に降り注いだ。 それは兄と妹────幼い子供2人だけの住む家も、例外では…

　夜中にふと目を覚ましたシミは、目を擦りながら周りを見渡した。運転席の時計は１１時を過ぎている。 「……てんちょ？」 　助手席の窓を開けて身を乗り出し、外を見回してみるけれど…

客が溶けたので食べました。

KAC2023の第３回お題「ぐちゃぐちゃ」参加作品です。 ＜些細な理由＞ ある日私は仕事先で懐かしい人と再会した。 その人は本当にいい人だったのだが、ただ一つだけ耐えられない…

最近、「明るくなった」とよく言われる私は、数日中に雪が溶けきるのではないかと知り、ある場所に向かう。 同題異話３月号「六花とけて、君よ来い」https://kakuyomu.j…

甘くてやわらかくて優しい、わたあめみたいな女の子。……それ、本当に、わたあめですか……？

ファミレスに一人の男と刑事がいた。

作った雪だるまが溶けきるまでおとなしく眺めるなんて、生温い事だったのだなと思わされた出来事。 百人いれば百通りの感じ方、遊び方があるものである。

原因不明の過眠症で眠り続ける少女と彼女を取り巻く大人たち。それぞれが抱える孤独と悲哀が夢に溶け出す時、少女は夢の中で目覚め大人たちの秘密を無邪気に弄ぶーー。 森ノ宮有紗は前例の…

　飲んだくれの男の身体が溶け出した。野次馬はスマホを構え、溶けてスライム状になった男と、男に絡まれていた私を撮る。 　飛び掛かって来るスライム男。女子な上に、まだ高校生な私は絶体…

この季節、太陽が昇ると氷が溶けてひらひらと。

海洋生物学者、高月慧人(たかつき けいと)と 京都出身のお嬢様、菫(すみれ)の間に生まれた 紗(すず)、ラブラブな両親に日々呆れつつも 亡き祖母の願いと必死の努力で第1志望の高校…