「短編 親子」を含む小説

娘は、母の手を引いた。庭から見上げた宇宙そらには、無数の視線を集める丸い球が浮かんでいる。用意した団子を口に含みながら、親子はうっとりと見惚れるように、見上げ続けていた。

　人口400人の島にひっそりと建つ古ぼけたシェアハウス、あやめ荘。 　島には、コンビニも駅もなく不便だが、静かで暮らしやすい場所だ。 　都心からは離れており、夏場は観光客でごった…

父親一人で高校生の息子、弘樹を育てる恭一は四十五歳になった今でも父親とは何か、わからないでいる。そんな恭一に、ランニングの中で口にされた弘樹の本音が刺さった。

信太郎の父は、定年退職後、山登りを趣味としていたが、ある日、山から帰ってこなかった。警察は遭難したのだろうと言う。それとも、家庭が嫌になり、失踪したのだろうか。 親子の絆、人生…

森の小さな幼稚園には、今日も動物の子ども達の元気な声が響いています。あれあれ。こねこちゃんはどうしちゃったの？ お子様の寝物語にも最適（？）かもしれない。サクッとすらっと読めち…

とある町の暮らすシスターはある寒い朝、教会の前に捨てられていた子供を見つける。 子供を捨てた親に憤る彼女に、教会の神父は静かに語りかける。 「親とともにいることで子供の未来が閉…

七月。出淵次郎は亡き妻の新盆で、娘親子を出迎えた。目に入れても痛くない四歳の孫娘を抱っこしながらテレビを見ると、お昼の怪奇・心霊特集番組が始まった。コーナーが怪談噺「牡丹灯籠」を…

ーー12月25日 私は産まれて間もない我が子を捨てた。 それは闇属性だからか、はたまた最愛の妻が亡くなったからなのかは今考えても私には分からない・・・ 目に映る全ての…

子供の頃に皆が経験する奴

これは私の息子がした面白い３つの勘違いの話。 ほっこりとする話がここにはある。 ――でも、”これ”だけは勘違いしないでほしいな。

ある女性とぬいぐるみの話をした。 それはある少年が大人への一歩を進むための話。 その話を彼女が聞くと笑いながら「素晴らしい物語ね。でも、私は非現実的なことを信じないの」と言う。 …

夏休みに田舎の実家に帰った小学２年生の春日太郎。 道端にあったトンネルを見つけ、そこから奇妙な体験をすることになる。 トンネルの先で出会った少年に「ファミコンやってくれないか」と…

怪我で寝たきりの生活を送る少年・愛斗（まなと）。彼は星の王子さまが大好き。七夕の日、母ちゃんと短冊に願い事を書くことになった愛斗は、「ほしにいきたい」と書く。それに対して母ちゃん…

主人公とピアノとの関係を描いています。

「優しさと自由は、時に残酷な未来を現実として人に叩きつけることがある」 次世代育成への注視と児童虐待の増加から【子どもを持つ権利】が国家資格となった日本。そこでは科学技術の発展…

　中部地方の都市郊外にある、この町に僕が足を踏み入れるのは、二十年近くぶりだ。当時の僕と顔を合わせているとすれば、このひとはその頃、二十歳前後くらいだろうか。こんなひとと面識あっ…

染谷加耶(そめや かや)は、大切な夫と娘と共に、幸せな日々を送っていた。 しかしその平穏な日常は、一人の男性――アマノが加耶に告げた言葉によって、壊れ始めていく。 「今からち…

そう言うと父は立ち上がって部屋を出て行った。