「幻覚」を含む小説

「第五回こむら川朗読小説大賞」によせて書きました。

そうはいっても、しかし彼女は雲ではないので─── マシュマロお題：入道雲 入道雲といえば、夏。夏といえば、青春。 幻のような季節ですよね。昨今は幻覚を見そうな気温ですので、水…

　十年前に死んだ恋人が、最近になって目の前に現れた。幽霊なのか、はたまた幻覚なのか、伊織は彼女の存在を信じ切れないまま暮らしている。 「君のこと百回フったら、パーティしたいな。…

ある日、ぼくは天使と出会った。 彼いわく、世界はもうすぐ終わるという。 こうしてぼくの最後の日々が始まった。 一方で、ぼくはどうしてもだれかを思い出せないでいた。 - フラッシ…

　都心の学校を卒業した青年は、密かに写真家を志すものの「手が空いているなら働きに来い」との姉の手紙を受け、カメラ片手に川辺の古都Ｑへと発った。この街では、あるいくつかの希少な宝石…

小学生の時の成績は並、中学生になって落ちこぼれとなり偏差値30の勉強が苦手で猛勉強してついに第一志望校である公立清蘭高校に合格した水野　心（みずの　こころ）。その疲労は半端なく、…

酷い花粉症に悩まされている秋野は、ある晩、金縛りと幻覚に襲われる。

　オカルトサイト『MOST』を運営する会社に勤務するライター樋口宗太郎は、怪談師であるアルジャーノン雪村より現在進行系の奇談があると聞く。新興宗教の団体によって育てられた天本姫子…

　高校教師であるマリアは深夜、自分の学校の生徒を絞殺する。黒い逆さ十字を残して。 　数年前、未成年の不良達に妹アリスと父親を殺されたマリアは犯人の一人ルーシー・ミラーを事故で死な…

ゴキゲンマンは僕にしか見えないヒーロー(推定)。主に僕の視界で反復横跳びをしたりする。

総合病院の精神科医として働く茅本信二の元にある日、霜崎和紀という一人の患者がやってきた。その男はなんと、自分のことを『ハーレム主人公』だと思い込んでいた！？ 霜崎の見ているラブコ…

取材班はある男に密着した。その男はどうでもいいことばかりを予知できるという。しかし男は最近幻覚に悩まされているようで……。 KAC20223「第六感」参加作品

「どうすれば、幸せになれるの？」 　今日も、意識不明の父親への見舞いに、女子大生の土肥美菜子は訪れた。看病とバイト、勉強のため心身ともに疲弊した美菜子は、死神の幻覚を見る。

名前とは最も短い呪いだ。おれ自身、人生の道行きを決めたのは玉ねぎを連想する名前をつけられたことだった。ひたすら玉ねぎ切りに夢中になった学生時代。栄光の『玉ねぎ星人』を目指して、仲…

忘れようとしても決して忘れることのできない想い。 あの人は、暗闇の暗闇に、「高貴の微笑み」をし、俺を見下す。 真の別れの理由 何処にあるのか。 妬みの中には見出せない。 何処にあ…

ある社会人の最後の二日間の記録。

　働くことに疲れたOL・鳴川望（２５歳）の一人暮らしのアパートに、ある日突然、白イルカが現れた。 　これは幻覚ではと思う望だったが、会社の鬼上司・御手洗一馬（３３歳）の家には、ペ…