概要
才能に花束を。努力には喝采を。青年は少女を世に送り出す。
元貴族の御令嬢フィオ•アルケイデアは、家が没落した後、マダム•リナリーの元で居候生活を送っていた。雑用をこなし、デザイナーとしての基礎を学ぶ穏やかな暮らし。そんな日々は、とんでもなくデリカシーのない青年によって壊される。
これはフィオが再起するまでのお話。
「お客様は神様」ならぬ「作り手は神様」思考のぶっ飛んだ天才&常識人元貴族令嬢が中心の作品です。
これはフィオが再起するまでのお話。
「お客様は神様」ならぬ「作り手は神様」思考のぶっ飛んだ天才&常識人元貴族令嬢が中心の作品です。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!疾走感ある文章と展開に、溢れる芸術のパワー。型破り創作者の姿が胸を打つ
没落貴族の娘が、型破りな天才青年と出会い、隠された才能を開花させていく物語です。
とだけ書くと、よくある栄達物語のようにも聞こえるのですが。
本作の面白さは、「才能の開花」が表層的なものでなく、芸術・創作のありかたを理解することによって起きた必然的な変化として描かれている点にあるように思います。
天才青年はなぜ娘を求めたのか?
創作における自分らしさとはいったい何か?
それらを理解した時に、決定的な変化が訪れます。
決して、何か都合のいいきっかけで、よくわからないまま才能発現するわけではありません。
また会話は軽妙で、文章には疾走感があります。
主人公の心情など、かなり書き込まれている…続きを読む - ★★★ Excellent!!!その勢いは主人公の世界を変える
勢いが凄い作品でした。軽妙な文章ですらすら読めるからというのもそうですが、主人公の出会った〝とんでもなくデリカシーのない青年〟が凄いのなんの。デリカシーのなさゆえの強めな言葉の数々は嵐のよう。ゆっくり読もうと思っていたのに、気付けばあっという間に全部読まされてしまいました。
これはもう主人公もやるしかなくなる。こんな人に間近で「やれ!」と言われたらやらないという選択肢はどこかに飛ばされる。しかも目の覚めるような衝撃があったのなら尚更でしょう。
青年は最後まであらゆる方向に暴言と取られかねない言葉ばかりを吐き出しまくっていますが、その内容の真っ直ぐさのお陰で乱暴さが霞んで、なんだかとても清々…続きを読む