完成された世界観をもとに他とは少し毛色の違う要素を持った一途な物語です。
事故による異世界転生を果たした主人公とヒロインですが、絶望的にどちらも転生の才能がなかった、という最悪なスタートを切ります。
少女は短命の運命。心優しく、自己犠牲を厭わない彼女の献身はどこまでも純粋ゆえに高潔です。
だからこそ主人公は彼女のために強くなるしかない。血反吐を吐いても、壁にぶち当たっても、失敗を数えきれないほど積み重ねても。
たとえ、自らの手を自分の血で穢すことになっても。
神でさえ覆せないとした「少女の生きる運命」をただ勝ち取るために足掻く主人公の物語の行く末を、一人でも多くの方に見届けてもらえたらと思います。
異世界転生を果たした主人公が、共に転生した少女を死の運命から救うために奮闘するファンタジー作品です。
幼い子供を庇って転生してしまった二人でしたが、どちらも転生する才能に恵まれていなかったことが発覚します。
主人公は単純に早い段階で成長が頭打ちになることが分かっており、少女は短命の運命を宿命付けられてしまっていました。
そして、運命からは逃れられず、少女は早々に命を落としてしまいます。
彼女だけは救いたいと願う主人公。そんな彼に、神は繰り返しの禁術を提案してきます。
どんなに命尽きようとも、転生が続いてしまうある種の呪い。これを武器にして、主人公は自身を徹底的に鍛え上げることを考えました。
少女の運命を変えることができるのか。
ぜひ読んでみてください。
世界を救う為にはどうしても一人が犠牲になる。
それは美談だし尊い犠牲と言う物。
でもそれがどうしても許せない主人公。しかも犠牲になるのが自分の大事な人となれば尚更。
良くある展開ならそこで涙流して終わりだが、この物語は違います。
ブラックなストーリーなら世界を犠牲にして一人を助けてハッピーエンド。
しかしこの物語は違います。
自分の大切な人を助ける為に、世界も救って犠牲になる人も救って見せようと言う、とてつもない我儘を押し通そうとする、時代錯誤な表現をすれば、男の子ならコレで燃えない訳が無い、胸アツなストーリーです。
正に「男の純情」を地で行くような、そんな物語。
とにかく主人公が格好いい。そう言う物語が好きな人間なら必ず刺さる、そんな小説だと思います。