19つ目の友情
「なんでムリなの?後悔ちゃんのコミュニケーション能力がないから?」とからかってみると、「ちがうから!みんな、成仏するために忙しくて、わたしに構ってる暇なんかないんだよ!」とムキになった。頬をふくらませてむすっとしている彼女がかわいい。
というか、成仏?やっぱり幽霊は成仏するのか。ってことは、「後悔ちゃんもいずれは成仏するってこと?」彼女の方を見上げてそう尋ねる。黙って僕を見つめる彼女。「せっかく友だちになれたのに、いつかは成仏しちゃうの?嫌だよ。」と彼女に訴えると、「人間の友だちだって、転校とかで別れることもあるだろ。」と目を伏せて言う彼女。前は『幽霊に干渉するのはおすすめしない』って言って、心の中に入れない感じだったのに、今は友だちってことを否定してこないくらい仲良くなれたんだなと嬉しくなった。まぁ、他のことに気を取られて気づかなかっただけかもしれないけど・・・。
「なに、ニヤニヤして、気持ち悪い。」訝しげな目でこちらを見てくる彼女。「後悔ちゃんと仲良くなれて嬉しいなって」と返す。「別に仲良くなんて・・・。」と呟く彼女に「でも、友だちって言ったとき、否定しなかったじゃん!」と口にすると、「幽霊と友だちになってもいいことないよ。わたしって少年以外に見えないから、さっきみたいになるよ。」と指摘された。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます