19つ目の友情


 「なんでムリなの?後悔ちゃんのコミュニケーション能力がないから?」とからかってみると、「ちがうから!みんな、成仏するために忙しくて、わたしに構ってる暇なんかないんだよ!」とムキになった。頬をふくらませてむすっとしている彼女がかわいい。

 というか、成仏?やっぱり幽霊は成仏するのか。ってことは、「後悔ちゃんもいずれは成仏するってこと?」彼女の方を見上げてそう尋ねる。黙って僕を見つめる彼女。「せっかく友だちになれたのに、いつかは成仏しちゃうの?嫌だよ。」と彼女に訴えると、「人間の友だちだって、転校とかで別れることもあるだろ。」と目を伏せて言う彼女。前は『幽霊に干渉するのはおすすめしない』って言って、心の中に入れない感じだったのに、今は友だちってことを否定してこないくらい仲良くなれたんだなと嬉しくなった。まぁ、他のことに気を取られて気づかなかっただけかもしれないけど・・・。

 「なに、ニヤニヤして、気持ち悪い。」訝しげな目でこちらを見てくる彼女。「後悔ちゃんと仲良くなれて嬉しいなって」と返す。「別に仲良くなんて・・・。」と呟く彼女に「でも、友だちって言ったとき、否定しなかったじゃん!」と口にすると、「幽霊と友だちになってもいいことないよ。わたしって少年以外に見えないから、さっきみたいになるよ。」と指摘された。

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