出会って3日目
11つ目の友情
「やっほ〜!来たよ~!」昨日と同じくらいの時間に公園に入ってそう言って、後悔ちゃんの姿を探す。すべり台の上で下を見て怯えている彼女を見つけた。彼女の目線の先には毛を逆立てて威嚇をしている猫たちが数匹。すべり台の周りを囲んだ猫たちが彼女を睨んでいる。このままでは後悔ちゃんがマズイ。今、彼女を助けられるのは僕しかいない。その一心で、鞄からスマホを取り出し猫が嫌がる音を慌てて検索するが恐怖で手が震えてスマホを落としてしまった。僕はこんなにポンコツだったのかと後悔する。
落ちた四角い板の音に気づいた彼女と猫たちがこちらを向いた。すべり台の周りの猫たちが僕の方へ駆けてくる。今度は僕がマズイ状況だ。でも、後悔ちゃんを助けることができたし、ケガですみそうなので襲われる覚悟を決めて目を瞑った。
しかし、体に痛みが走ることはなかった。おそるおそる目を開けると、猫たちに緑のネットが覆い被さっていた。いつも砂場にかかっているネットだろう。でも、どうして?風で飛ばされたとしてもこんなに運がいいことがあるのだろうか?そもそも、このネットが飛ぶくらいの強風は吹いていないのに。そんなことを考えるがすぐに、ネットを飛ばしたのは後悔ちゃんだと気づく。
すべり台の上の彼女は両手を胸の前で握って、何かを祈るようなポーズで目を瞑っている。彼女からネットまで薄紫色の発光した何かが伸びている。だんだんと薄くなっていくそれにヤバいと焦っていると、猫の鳴き声を聞き付けたであろう近所の大人たちが武器を持ってきて猫を追い払ってくれた。
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