15つ目の友情

 背中に重みを感じさせるそれを背負ったまま家とは反対の方向に歩く。周りの子たちが、僕を見慣れないものを見る目で見てくる。僕の学校は寄り道が禁止されていて、みんな真っ直ぐ下校する。だから、家とは逆の方向に歩いている僕は異常者だろう。誰かが学校に報告すれば僕は間違いなく怒られる。それでも僕の足は止まらない。


 いつもの公園の入口についた時、僕の足は止まった。そこでは、僕たち4年生より授業が早めに終わって下校した1、2年生の子たちが遊んでいた。はもっと静かで人気ひとけがない。だから、騒がしいのは新鮮だった。

 僕が学校の決まりを破ってまでこの時間の公園に来たのには理由がある。後悔ちゃんは僕が公園に来るまでの間何をしているのかが気になったのだ。一昨日と昨日はどちらも友だちと遊んでから公園に行ったから、後悔ちゃんは既に公園にいた。後悔ちゃんの存在を知られない為に友だちと遊ぶのを諦めたのだから、これくらいは許してほしい。

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