出会って4日目
14つ目の友情
「なぁなぁ、友陽。」学校のお昼休み終わり、ドッジボールに行った帰り道に友だちの一人である
ここ二日ほど後悔ちゃんに会うために友だちとの遊びを早めに抜けて帰宅していたことを指摘される。「門限とかって言ってたけど、お前の親ってそんなに厳しかったか?」疑いの目を向けられて、「その、ほら、最近は不審者とか出るし。」と言いながら階段を登る。けれど、「お前の親、そんなタイプじゃねぇじゃん!お前、なんか隠してるだろ~?」とさらに疑われてしまった。
次の言い訳を考えていると、授業開始のチャイムが鳴った。「やっべ!授業遅れる!」そう言って残りの階段を急いで登り、廊下を駆け抜けて4-2の扉に入った。タイミング良く鳴ったチャイムにはすごく感謝している。
全ての授業が終わった放課後、いつも通り友だちと遊びに行こうかと思った。しかし、今日遊ぶメンバーに大地がいることに気づいて「体調が悪いからごめん。」と断った。(もちろん嘘)遊びたい気持ちはやまやまだが、彼に変な疑いをかけられるのは嫌だったからだ。なんとなく、後悔ちゃんの存在は誰にも話さない方がいい気がした。昨日、猫を追い払った大人たちが彼女について言及しなかったから本当に僕だけにしか見えていないのだろう。(あれ?でも猫には見えていた?)
そういえば、後悔ちゃんが”見えても無視する人がいる”って言ってたけど、見えてるか見えてないかの判断ってどうやってしてるんだろう?僕は彼女からの”私が見えるの?”という質問にうなずいたけど、無視する人はその質問にすらうなずかないのでは?それに、どうして僕には彼女が見えるのだろう?僕が選ばれし小学生ってこと?それとも、何か他に理由があるのだろうか。思い当たる節は一つだけあるけど・・・。
頭の中でグルグルと考えを巡らせながら下校する。背中のランドセルの重さが今の僕にかかっている責任の重さと同じくらい重く感じた。
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