5つ目の友情

 「というか少年、さっきから年齢めちゃくちゃ気にしてるけど、そんなに大事?」そう言って僕を見上げてくる後悔ちゃん。彼女は座っていて僕は立っているので、今なら彼女の頭のてっぺんが見える。彼女が動くたびに彼女の前髪がサラサラ揺れる。

 「気にしますよ!お姉さん大人じゃん!」と言い返すと、彼女はふっと悲しげな表情になって「大人か・・・」と呟いた。そういえば、女性は年齢を気にする人が多いと前にお母さんから聞いたことがある。誤解されてしまったかもと思い、慌てて「あのっ、おばさんって意味じゃなくてお姉さんって意味で言ったつもりで!すみません!」と訂正すると、あははと豪快に笑ってから「全然気にしてないよ!」と明るく返してくれた。


 「あの、お姉さん。」しばらくの沈黙を壊すために意を決してそう話始めると突然、「そのって呼ぶのやめろよ!さっきまで後悔ちゃんって呼んでくれてたじゃん!」とお姉さんが立ち上がった。「え?」僕が目を丸くしていると、「10歳の今を生きているキミと18歳の頃に死んだわたしだったらどっちが偉いと思う?」とまくし立てた。

 彼女のその一言がかなり僕の心に引っ掛かる。

 「たとえ亡くなっていたとしても18年生きてたことに変わりはないし、僕が年上を敬いたいってだけで。」と返すと「じゃあ、呼び方戻して。命令。」と言いながらベンチに腰かけた。

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