2つ目の友情
彼女のつぶらな瞳と目が合う。しばらくお互いに見つめあっていたが、先に沈黙を破ったのは彼女だった。
「少年、わたしが見えるの?」彼女の唇が震えてゆっくりと音を発する。声は高いがはきはきとしていて、周囲が静かなこともあり僕の耳にはっきりと聴こえた。彼女の問いにうなずくと、目を輝かせた彼女がブランコから降りた。持ち手のチェーンが僅かに音を立てる。
「時間ある?そこでちょっと話そうよ。」こちら側に歩きながら入り口付近のベンチを指差す彼女。まだお父さんが帰ってくるには早いし大丈夫だろうと彼女に続いてベンチに腰かけた。
「ところで少年、名前は?」足をバタバタさせながら(靴の動きでなんとなく分かる)そう聞いてくる彼女。「
「忘れちゃった。」僕から目を反らしたまま遠くを見てそう答える彼女。先ほどまで楽しそうだったのに今は悲しそうだ。思わずえ?と呟くと「最後に名前呼ばれたのいつだろ~。」と言って伸びをする彼女。「友陽、素敵な名前だねぇ。」そう言ってにこにこと笑う彼女が取り繕っているように見えて「じゃあ、
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