8つ目の友情
「ところで少年、時間大丈夫?空、真っ暗だけど。」彼女からの問いかけに空を見上げれば、空の赤さは消えていつの間にか月が出ていた。「ヤバい!」カバンの中からスマホを取り出して時間を確認すると、19時を過ぎていた。お父さんから何件か連絡も来ていて慌てて立ち上がる。「ごめん!帰るね!」そう言って彼女の方を振り向くとこくりとうなずかれる。早足で公園から出て帰ろうとすると、背後から「少年!」と呼び止められた。
「明日も会いに来てくれるか?」出入口の車止めに体重をあずけながら、そう聞いてくる彼女。きっと後悔ちゃんは、幽霊になってから誰とも話せなくて寂しかったんだろうな。過去に友達が誰も声をかけてくれなくなった時期があったことを思い出した。あの時、自分が幽霊みたいだと思った気持ちと今の彼女の気持ちは似たようなものがあるのではないか。まぁ彼女はみたいではなく本物の幽霊なんだけど。
「うん!また明日ね!」後悔ちゃんに向かって元気よくそう返すと、喜びを顔全体で表してくれる彼女。「またね~。」と言って手をゆるゆると振りながら公園の中に消えていった。
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