第18話 ラテン文字の異世界支配
異世界でカタカナ支配があったとしても、それはテラトキア大陸だけのこと。
だが、ラテン文字は、おそらく異世界のすべての大陸で通用する文字である。
文字も書き言葉も多様性がある。だからこそ、便宜上の共通語や共通の書き言葉が必要とされるようになる。ラテン文字は、異世界でも通用範囲を拡大していった。
だが、文字と発音の対応が複雑なので読み書きの学習は困難を極めた。
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テラトキアの日本語勢力が使うカタカナが全世界を覆い尽くすような事態は、おそらく考えられないだろう。
だが、ラテン文字の勢力がテラトキアを蹂躙する可能性は決してゼロではない。
テラトキアには、ラテン文字のシンパが潜伏しているかもしれないのだ。
いまのところ、異世界に核兵器は存在しない。機能しないのだ。だが、カミカゼドローンが大量に投入されて大陸各地の学校・図書館・出版社・書店などを破壊したら、いったいどうなるだろうか。大規模な焚書である。人的被害も出るだろう。剣と魔法の異世界では、火炎魔法や雷撃魔法も脅威となりうる。だが、防御魔法や回復魔法が存在するということも忘れてはならない。
われわれは、ラテン文字を完全に排除するようなことはしない。交易の利便性を軽視するようなことはしない。むしろ、文字がカタカナだけだった世界を是正して、ラテン文字にも慣れておくことは重要だ。しかし、同時に、かなもじを守らなければならない。日本語勢力の書き言葉を守らなければならない。日本語には、かなもじがいちばんなじむ。ローマ字は便宜的に使うだけにしておくのがいい。
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