第24話 平和主義者の居場所
地球上のどこかの国で、平和主義者が、自由を求める若者によって暗殺された。それを見てしまったら、政治家は保身のために戦争をやるしかない。やらなければ殺されるのだから。
治安維持と称して軍隊が反戦運動を取り締まる。平和を愛する者たちは、コミュニティーから追放され、学校から追放され、職場から追放され、居場所を失う。
で、大勢の平和主義者が故郷を捨てて、新天地を求めて旅立つ。ブルーヘキサゴンが受け皿になっていた。
まさか、大量の移民をカイベシア(Kiybessia)に送り込んでくるとは。移動魔法を大規模に展開して、疑似的ワープ航法でもあみだしたのか。チョメコーの科学力は、おぞましいかぎりだ。
個人個人は移民だとしても、集団で大挙して押し寄せれば入植者になる。
コミュニティーは村になり、都市になり、国のようになり、領土の所有権を主張するようになるかもしれない。
独立運動をやって、戦争やって、国家が成立したら、領土拡大だ。まるで数百年前のチョメコーだな。
時代を越えて、歴史は繰り返す。
かれらが望むのは、かれらにとっての理想郷でしかない。かれらは、かれらのためにのみ、たたかうだけ。なかには、自衛のための侵略を正当化するパラノイア連中も混じっている。
いつまでも平和主義のままではいられないのかもしれない。
カイベシア(Kiybessia)が、ブルーヘキサゴン経由のあらたな勢力に蹂躙されようとしているのだとしたら、そのままにしておくのはまずい。
先頃いくつかの書店が何者かによって襲撃されたというのも決して偶然ではない。
だが、カイベシア(Kiybessia)には、防御魔法と回復魔法があるということをわすれてはならない。
転生者ギルドやシルバーギルドからも防衛のために人を派遣しているのだが、相手の人数が多くなり始めたらまずいことになる。
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