文字がカタカナだけの異世界などありえない~転生者たちの文字を復活~
安井鉄和(仮)
第1話 夢の中の銀世界
若い時とは違って、今は帰宅するとすぐ眠くなってしまうんだ。もともと体力ないし。気力がないのもそのせいだろうな。
そうだ。すべては年のせいなのだ。
で、もう寝る。
ん? おれ、自分の部屋で寝てたんじゃないの?
夢の中の銀世界。まさか白内障じゃないよね。
雪は降っていないようだ。寒くもない。
「
「え? 異世界? おれ、死んだのか?」
「いや、死んでいない。ここは"現世"だ。夢の中だ。」
「チカラを貸すも何も、特に何のチカラもないから無理。ほかをあたってくれ。」
「"異世界"に来てくれるなら、魔法のチカラを与える。」
「おれ、まだ死にたくないから、無理。」
「ならば身の安全を約束しよう。死なないし、"転生"するわけではない。本体を現世に維持しつつ、分身をつくって転移する。」
「異世界ってことは、魔法とかどうなの?」
「移動・防御・回復・水の4種類だ。すべて比較的安全なものをおすすめしておこう。まあ、使い方にもよるが。」「あまり忙しくなさそうだし、時間の自由がきくのだろ?」
「異世界なんて行ってる時間はない。睡眠時間が確保できなくなったらあぶないんだ。もともと体力ないし、車の運転だって居眠りとか困る。」
「本体は現世で睡眠をしっかりとればいい。それでかまわない。分身をつくって転移する。」
「疲れるのでは?」
「4つの魔法の中に、回復魔法が含まれている。それを使えばいい。ただし、おそらく"現世"では使用不可能かもしれないから要注意だ。異世界から戻るときに、回復・防御・移動の魔法を使うといい。」
「言葉は通じるのか?」
「話し言葉は通じる。問題は書き言葉なのだ。」
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