概要
人語を解し半自律的に戦闘する使役魔獣は今や戦場の花形兵器。その核心部品たる転生者には使役魔獣の錬成技術を独占する春の国が賞金をかけていた。
イリアも最初、春の国に彼を売るつもりでいた。
タケシも始め、非情な世界に流されるままだった。
だが彼女の旅の目的と、自分に課せられた宿命を知り、魔力を動力にする戦闘ロボット【魔動機兵】の開発をタケシは提案する。半信半疑で協力するイリアだったが、完成した魔動機兵は戦場で使役魔獣を圧倒する。
──少女は、母の仇、春の国の王家を絶やすため。
──少年は、使役魔獣として望まぬ殺戮に加担する転生者へと死の救いを与えるため。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!鋼と魔法が交錯する異世界戦記
異世界転生×ロボット×戦記ものという独創的なジャンルの作品。魔法と科学が交錯する世界で、タケシ、イリア、青山亮二といったキャラクターが、それぞれの信念を胸に戦い抜く姿が描かれています。
この物語の最大の魅力は、緻密に練られた世界観と魔動機兵の設定です。戦争が絶えない異世界において、魔動機兵は単なる兵器ではなく、国力や戦術の要となる存在です。魔法と機械が融合したシステム、パイロットの能力によって変化する機体特性、さらには戦場ごとに異なる戦術の描写など、細部に至るまで徹底した設定が施されています。単なるファンタジーではなく、リアルな戦記物としての緊張感が漂う点も見逃せません。
また、ロ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!燃え尽きるほど熱い、ハードモードな異世界転移
転移した先の異世界で、主人公は、重力魔術を使う少女に助けられる
しかし、この異世界では、転生者を材料にして強力無比な「使役魔獣」が作られていた
少女もまた、主人公を売り飛ばすために連れ歩いていたのだが──というボーイミーツガールにしてはハードモードな本作品だが、バトルシーンがとにかく熱い
第一章においては、本作品の売りとされるロボットは出てこないのだが、圧倒的な暴力で敵を殲滅するわけでも、都合のいいスキルで無双するわけでもなく、自分にできることのすべてを駆使してギリギリで勝利を掴むさまが読者の心を沸き立たせる
また、「使役魔獣」の設定が本当に残酷で、第一章の終盤では心が痛んだ
しかし、そのつ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!転生者にとって過酷な世界バルディア。主人公はそんな世界を救えるのか?!
異世界転生ものだが、その内容はかなり過酷である。
異世界であるバルディアは、転生者を売り買いするという国だった。特に黒髪の日本人は高く売れ、言葉もしゃべれるとなるとますます価値が上がる。
主人公タケシは正気を保ったまま転生できた稀有な存在だった。人さらいに攫われそうになっていたタケシを助けたの超強力な魔法を使う魔道士の少女イリア。彼女はタケシのことを「奴隷」と言う。タケシは冗談だと思ったが、本当らしい。
一見、冗談も言い合える仲がよい2人で、イリアはこの世界についていろいろ説明はしてくれるが、使役魔獣の話になるととたんに口をつぐんでしまう。使役魔獣について言いたくないことがあるらしい……続きを読む