第116話 出し切る!
さすが黄金のコショウだよ・・・香辛料だよ!!!お買い物する時はちゃんと金額を確認してから買おうね?
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でも!お金は循環するもの!いいんだよいいんだよ。また稼げばいいんだよ!あっけにとらられてる兄さんを引きずるようにして宿に戻ってきた。まだ呆けた顔している。
先にシャワーを浴びさせてもらおう。ゆっくり汚れを落とし、私が出た後は兄がすぐに入っていた。そしてものの5分もせず出てきた、ちゃんと洗えてるの?と汚いものを見るかのように見つめてしまった。
「なぁ?お前なんでそんなに金貨持ってるの?」
「どこから話そうかなぁ」
「最初からだな、収納巾着発明してから王宮に監禁されたって言ってたよな、そこからだ」
「あーうん、収納巾着発明したら、がめつい王族に監禁されたんだ。収納巾着を他国に売って相当儲けていたみたい。流通も制限して誰にでもいきわたらない様にして値段を釣り上げてたんだと思う。私には少しだけのお金が渡されていたけど、監禁されてるから使える場所が無くてね?1年間で相当貯めたんだ。」
それと事細かにどうやって監禁されていたか、どうやって逃げたか、親や兄さんに知られたら家族が何をされるかわからなかったこと、とりあえず逃げるのに必死だったということ、だからコライユ国に逃げてから、このドレ国にきた大まかな経緯を話した。
「ところで兄さん?私があげた収納巾着はどうしたの?」
そっと目をそらす兄。こめかみには汗が光ってる。もう一度聞く。
「収納巾着はどうしたの?」
「結婚するし身重の嫁に重たい物持たせたくないなと思って持たせていたんだ。そのまま収納巾着も消えた・・・」
最後は消え入りそうな声でしゃべってる。それは言いたくないわー。あきれつつも
「わかった、また作ってあげる、でも今回は兄さんしか使えない様にするから、もう人にあげても売っても他の人は使えない様になってるからね?」
「わかった」
少しうなだれてるがしょうがない。兄の良い所でもあり悪い所でもある。でもずーっと善良で居て欲しい。
そしてここからが本番
このドレ国には魔物除け装置と言う物があって魔物を全然見かけないこと、冒険者の利益が少なすぎて魔物を討伐する人が居なくなって、お肉や食の台所事情がよろしくないことを伝えた。
何より、ヴェルト国とは物価が10倍ぐらい違う事を言い、その代わり冒険者はあまり稼げないようなシステムになってるけど、ヴェルト国より良い値段で買い取ってくれること、だからしばらく狩りをしてこの国で魔物を売りさばき!笑いが止まらないぐらい稼いでから北の街に移動していこうとしたら、兄さんに見つかってしまったという話をかいつまんで話た。
兄さんの目がギラついている。狩りをする気満々だ。明日も森に狩りに行くから一緒に行こうと誘うととても力強くうなずいている。
久しぶりの兄さんと一緒の夕飯だ。私は家族が大好きだから一緒にご飯を食べれるのが嬉しい。思わず目が潤んでしまったけど兄さんは全く気が付いてなかったので助かった。
お次の問題はベッドだ。私は贅沢ダブルで寝ていた。いくら兄さんが好きとはいえ、流石にこの年齢で一緒に寝るのはちょっと・・・でも兄さんは嬉しそうに昔みたいに一緒に寝ような!と屈託のない笑顔を向けてくる。愛すべき妹馬鹿だ。明日はツインの部屋を取り直そう。
久しぶりに一緒に兄さんと昔話をしながら眠りについた。ものすごく安眠できた。やっぱり家族は家族なんだなとしみじみと思う。将来一緒になる人は兄さんのように安心して横で寝られる人にしようと心の中で思うことにした。言うと調子に乗りそうだから黙っておく。
朝ごはんを食べて、8時ぐらいにフロントに向かう。宿の人に今日はツインの部屋にしてもらいたいと頼んだら真反対の角部屋になった。
レオンも居たのでみんなで森に向かう。気づけば5人という大所帯になっている。昨日テイムした魔猛禽たちは現地に置いてきて正解だった。両親とレオンの旅行と共に、一緒に移動してもらう。私の目となってもらう。
ファルコ・ペッレ・グリーノは一緒に帰ってきた。こちらで一緒に狩りをしてもらう。追い込み役と魔物が居る場所を教えてもらう為だ。
ハトはどこにいるのか解らないけど、たぶんこの変に居ると思う。不法侵入してこようとしたラロはどこにいるか解らない。
テイムしているけど、魔物除け装置には勝てないらしく、街には一切近づこうとしない。これはテイマー泣かせだね。魔物と共存する職業の人は仕事が成り立っていないのではないだろうか?
まてよハトとラロは魔物除け装置関係ない?レアっぽい魔物には魔除け装置は意味が無い?レアの生態はわからないな、深く考えてもしょうがないからこの疑問はいったん端っこに置いておく。
魔物除け装置の効果が薄れてきたのか、Dランクの襲ってこない動きの速い魔物をペッレたちがどんどん追い込んできてくれる。これは・・・楽でいいね!?私はもしかして今までまじめに生きてき過ぎたのかもしれない?
兄さんの目が金貨になって、侍女様と護衛騎士を差し置いて必死に狩りをしている。意外と狩りの腕はいいんだなと横目で見ながら、レオンと話をする。
両親にはごく自然な形で出国して欲しいから、少し時間はかかっても国境まで移動して欲しいこと、そして盗賊に襲われたり大変な目に合わない様に旨いこと立ち回ってほしいとお願いしておいた。
大変なことをお願いして申し訳ない。レオンが望むものはお返しできないかもしれないけど私なりに精一杯お返しはしたいと思って居る。絵のモデルとか?いやいやそれは無いな・・・馬鹿なことを考えた。
とにかく両親を頼むとお願いをした。
運よく魔シカの群れに出会い、2.30頭ぐらいは討伐できたのではないだろうか?今日は兄が居るので私は楽させてもらっている。
まだ日は高いけどファルコ達のおかげでかなりの数の魔物をこちらに追い込んでくれたので、相当な数を討伐しているから今日も早めに帰ってのんびりしようか?という流れになり。町に戻ることにした。
いつもの通りに冒険者ギルドに先に顔を出す。いつもより早く帰ってきた私たちを見て、魔物は居なかったのか?と聞かれたのだけど、一杯討伐したからもういいかな?と思って帰ってきたと言ったら顔が引き攣って居た。
今日も魔オオカミの群れには出会わなかったから、今日討伐した獲物は魔シカやDランクがメインだと言ったら少し喜んでいる。
一緒に商業ギルドに行くと、更に目がギラギラした解体師の人達と、おどおどしているオオカミの群れの中に1匹だけ放り込まれたようなうさぎのような人がいる。臨時の方かな?
今日も狩りをして魔シカを多めだと伝えると、空間収納持ちの人を一人確保したから、全部出してもらっても構わないと言われたので、それなら最初に魔オオカミを全部出した。10匹づつ数えてうさぎさんが空間収納持ちらしく、どんどんしまっていく。
魔オオカミは全部で73頭入っていたよう。金額は金貨1460枚に。今日も群れではない魔オオカミを何頭か狩ったけど、あの狂ったような群れの数が223匹超えていたのかと思うと。異常だよね。
金貨の金額を聞いた兄が横でぷるぷるしている。兄はこの金額もらえないのわかってるだろうか?今日も魔オオカミは群れでは無かったけど数匹いたからね・・・さすがに5等分はないからね?わかってるかな?
その次に魔シカをだした。魔シカの数は56頭。ちょこちょこ狩っていたけど意外と数があったようだ。金貨952枚になった。
その他にも、魔ネズミ魔うさぎ魔イノシシ合わせて、別の国で狩りした獲物も出し切って、今日は金貨2908枚にもなった。すごい!なんかわくわくする金額だ。その金額を全部払ってくれるギルドの人達もすごい。でも心なしか憔悴しきってるようだ。お肉一杯で嬉しいでしょ?
うさぎさんはなんだかぷるぷるしているし、その人を囲む様に解体師の皆様が囲っている。ほら出せ今すぐ出せと言ってるようだ。出せばいいのに・・・
これで全部出してしまったので、この町を出ることを伝えることにした。ギルド職員の人達は少し残念そうにもしているけど、もしまた立ち寄ることがあったら必ずここで売ってくださいねと何度も念を押された。
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