第14話 豚肉だ!

他の国には行ったことがないから解らないけど、この国の人間にとっては、かなり安全な住む場所となっている。その代わり、魔物は多いと思う。人間同士で争ってる時間がないぐらいに、魔物の被害は深刻だということ。どこかでバランスが取れれてるんだなって妙に感心している。


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魔羊さんは門の外にテイムした子を預けられる小屋があるので、そこに預けることに。最初は馬を預かる場所だったのが、テイマーなどの職業が登場してから、テイムしても冒険者ギルドで登録しないと街中に入れないので、馬を預かる場所が、テイムした子たちを預かり始めたのがきっかけらしい。今では馬より多くの魔物や動物たちがひしめき合ってるようだ。


ギルドへの登録がめんどくさい人は、外に預けたままにしてたりする。街によって一緒に入れる規定が違うので、その時々で一緒に入れたり入れなかったりするんだけど。今回私がテイムした魔羊さんは2メートル超えてるので、大きすぎるから入れなかった。


スライムは変らずお腹に擬態して町の中に入る気のようで、めんどくさいからギルドへの登録はしていない。もし無登録の魔物が街に入ったら討伐されてしまう。テイマーへの罰はテイムした魔物が討伐されるという罰のよう。それと被害があった場合の補償と罰金を支払うことになっている。


魔羊さんとゴブちゃんをテイムした初日は最悪ほかの冒険者や魔物に狩られてもしかたないかな?って思っていたので節約・・・預けなかった。今は狩られたらかわいそうだなと思うので預けることに。目的の北の街ペスカに着いたらテイムを解除する予定だけど、だんだん愛着がわいてきてしまっている。


門を入ってから目指すは広場の屋台だ!


た!ま!ご!


た!ま!ご!


た!ま!ご!


卵料理を探すんだ。それ以外食べる気はない。ついでに宿も、そこまで高くなくていいんだけど、お風呂には入りたいから、お風呂付の宿がいい。共同お風呂とトイレはちょっと苦手なので個室がいい。そうなるとぼちぼちのお値段になってしまうんだけど、一生懸命節約してるからこれぐらいはいいのだ。人には譲れないものがある。


その前に、まだ日も明るいから、今は亡きゴブちゃんが採ってきてくれた獲物を、先にお肉屋さんに売りにいこう大量にあるからね。その時に、宿と卵料理のおすすめの場所を聞くのが一番いいよね。


警備隊の人にお肉屋さんと宿のことを聞いてみた。お肉屋さん行く道すがら、宿があったんだけど、うーんいまいち。


何がいまいちかって、安くて設備もよかったんだけど、1階の食堂兼酒場がこの時間からうるさかった。夜はどうなるか?って考えるとちょっとやめとこうかなと。ほかに見つからなかったら、ここも候補に入れておこうとは思うけど。銀貨1枚はかなりお得。でも一応次も探したいと思う。譲れないものがあるので。


次のホテルが見つかる前に、お肉屋さんい着いた。お店に入ると、大量のお肉がカウンターに並べられている。めちゃくちゃおいしそう。干し肉もたくさんある、私が食べたことがないのもある。今回干し肉はここで買おうかな?でも魔羊さんが暴走してくれるなら、もう干し肉は必要ないしなぁ。明日の朝まで保留にしよう。


とっても惹かれるけどね、豚の干し肉なんて!この世界で生まれてから豚に出会ったことがない、イノシシのみだ。この世界に豚という生き物が居るとは!これは絶対転生者が絡んでるのでは!?気になるけど、情報収集が大変そうだから、今回は見なかったことに。豚肉もイノシシ肉もこちらの世界と前の世界は違う別物だからね、チャレンジしないとだめだよね。


「すみません!この豚の干し肉10枚ください!」


頼んだ後に気が付く、あっ・・・明日まで保留にしようって考えてたばかりなのに・・・欲望に忠実すぎるわ。空間収納に入れてしまえばいいしね。腐るものじゃないしね。うんうん・・・


「はい、豚の干し肉10枚ね!銀貨3枚になります」


しまった・・・・・・・値段見てなかった・・・・

貴重な種類の干し肉が高いのが当たり前としても、豚は前の生きてた時の感覚で、安く手に入るものだと思い込んでいた!こちらの世界では豚なんて聞いたことないから、珍しいのに!私の馬鹿!食べることが大好きすぎて、ついついお値段見るのを忘れてしまう悪い癖がある。今まで大失敗したことなかったけど、何回も同じことを繰り返してる。いい加減学ばないと、いつかやらかしそう、ほんと気お付けないと・・・


銀貨3枚で豚の干し肉を10枚ゲットだぜ!通常の干し肉の3倍のお値段。値段を確認しなかったという、痛恨のミスをしたけど、とりあえずスープを買って広場でさっそく干し肉を1枚だけ食べてみよう!


その前に、お肉やさんでおすすめのホテル無いか聞いてみたら、1本裏の道にあるといことなので、さっそく見に行ってみる。


うん、ここにしよう

清潔だし、1階は食堂のみで宿泊客のみお酒を提供するらしい。昔いろいろと大変だったんだって。だから宿泊しない人にはお酒がないというところがポイント高い、お風呂トイレも部屋についてるし、何よりもごはんのいい匂いがする。お値段銀貨5枚で予算通りの所もかなりポイント高い!


宿をとって荷物を置いてから、本当は空間収納に全部しまってるので荷物はないんだけど、ある程度持ってないと空間収納持ちとばれてしまうので、軽いものを鞄に詰めて旅をするのが私が学んだこの世界の常識。


スキルはなるべく人に知られない方がいいからね。


さっそく買った豚の干し肉2枚だけを持って、広場の屋台を散策する。まずは立って目を閉じる。五感を使い嗅覚を使い、一番おいしそうなにおいの元がどこから漂ってくるのかを探る。匂いはとても大事だからね。


みつけた、これは卵のにおいだ。匂いに導かれるままにたどり着いた先には、卵の塩スープがあった。これ美味しいんだよね。卵に失敗はないからね。さっそく購入し、途中見つけたリンゴも購入し、木陰のよさそうなベンチを探す。


さっ、まずは卵の塩スープを一口!お、おいしぃいいいいいいいいいいい。ほんとね、もう最高よたまごスープ!全部飲んじゃうともったいないから半分までで我慢する。お次はリンゴだ。リンゴもみずみずしく、甘みと少しの酸味もありこれぞ理想のリンゴって味がする。これは後でまた買いに行こう。りんごは当たり外れが多いからね。美味しいのを見つけたときは、お金が許す限り買いあさることにしている。1日2.3個食べるとどれだけ買ってもすぐなくなってしまうからね。


そして、とうとうこの時間がやってまいりました、豚の干し肉のお時間です。干してあるということは菌は繁殖してないから、お腹を壊すという心配は無い。豚の何が怖いって菌だからね。


よし、一口いってみよう。


パク もぐもぐもぐもぐ・・・

パク もぐもぐもぐもぐ・・・

パク もぐもぐも・・・・


これは・・・・・イノシシの干し肉とどう違うのか、説明してほしいな。豚はイノシシだし、イノシシは豚だもんね。知ってた。


高級イノシシの干し肉を食べたと思うことにしようね。何がどう高級だかわからないけど、たぶん干した時の塩とか干した場所とか、きっといい場所だったりいいもの使ってたに違いない。


はぁーいつもとはちょっとグレードが高いイノシシのお肉を食べれて幸せだなー!最後に卵の塩スープで〆てお宿にもどりましょうね。心では泣きつつ、顔は笑顔で今日という一日を締めくくりたい。


いや締めくくるのはまだ早い、夕飯が待ってる。よくよく考えるとせっかく新し町に来たのに、何干し肉食べてるんだって話だ!干し肉は移動様にしてこっちでは出来立てほやほやの美味しいご飯をたべなきゃいけなかったのに!


私は反省した。ついつい目の前の食べ物に注意が行ってしまう。こうなったらお口直しのデザートを。カフェと言うやつを探そうではないか。


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お読みいただきありがとうございます

明日も2話更新する予定です


♡☆、フォローありがとうございます

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