第26話 考えが迷走する
「私は無いです!私が生まれる前のお話みたいです、女神さまに選ばれた人はラーゴ村に1回は訪れるそうですよ。私は今回サラ様が初めてです!」
「そうなんだ、気になってるのはなんでみんな私の名前知ってるの?」
「それは村の文字盤に記されます」
ん?
ーーーーーーーー
「次に村へ訪れる人の名前と女神さまからどんな役割が与えられたのかが記されれる文字盤があるんです、そこにサラ様がくるよー!って書いてありました!」
そうかぁ・・・文字盤があると・・・ちょっと見てみたいけど、村には戻りたくないしなぁ。
「それっていつから書いてあったの?」
「丁度1ヶ月ぐらい前からかな?」
そうなんだ・・・1ヶ月も前から私の運命は決まっていたと言う事?だから隠れスキルがこのタイミングで現れたの?丁度1ヶ月前に気が付いたしね?それとも元から持っていたのに気づいたのか?全然わからないけど、なんか全部手のひらの上って感じがして嫌だなぁ
「魔羊「サラ様が急に村から出て行ってしまって、みんなおろおろしてました、今まで説明すると自分の運命を受け入れる人がほとんどだったって、サラ様反抗期なんじゃない?って言ってましたよみんな」
うるさぁーい!反抗期じゃないからぁー!勝手に自分の運命きめられたら誰だっていやじゃない?たとえお金に困らない生活が保障されていたとしても!私は自由にスローライフを送りたいだけ。決められた運命の上のスローライフでは決してない。
まったくもう失礼な村人たちだね!勝手に運命きめられてはいそうですかと納得できるほど人間できてないんですぅー。
「さっき急いで連れてきたって、ここは湖から遠い場所にあるの?」
「そうですね5kmぐらい離れてます。私達以外の種族は水中で長く息を止められないと聞いたから、とても急いだので7分ほどで到着しました!私にとっては最高記録です!」
この子は学ばなくてはいけない、人間は7分も息は止められないと言うことを。普通は死んでしまうかもしれないということを。私がたまたま水魔法応用編を使用していたから助かったけど、普通に死んでたやつだなこれ・・・アウローラさんはどうやって連れていかれたのか・・・帰ったら聞いてみよう。
「何で私のことを追ってきたの?」
「言ったじゃないですか!サラ様と出会ったら絶対に一緒に外の世界に行こうって決めてたって!」
そういえば言ってた、困る・・・めんどく・・・面倒見きれないよ、文化が違い過ぎると思うし、おそらく身体構造が違い過ぎて人と生活するのは無理なんじゃないかなぁ?
「うーん正直言うと、フェリシアの面倒は見れないよ私。それに石を投げる威力とか見る限り、人とコミュニケーション取るの大変じゃないかな?私はそこまで気を使ってあげれないと思う」
絶対問題おこすでしょフェリシアは。それに人間じゃないとばれてしまえば、悪い人たちにかどわかされる可能性もあるし、魔物が多い世界で人間同士悪いことはあまり起きないとはいえ、悲しいかな一定数悪い人間ってのは居るものだからね。
「大丈夫です!村の人達から沢山外の世界は聞いてます!」
「聞いてたらいきなり胸やお尻は触らないし、ましてやあの勢いで石を投げつけてこないからね!わかってないでしょ!知ってるのと体感するのとじゃ100倍ちがうんだからね!」
シュンとして大きな瞳から涙を流し始める。ちょっと言うつもりじゃなかった心の声が漏れてしまっていたようで・・・ごめん。
でも無理なものは無理、自分の事だけでも精一杯だもん、ラロやフローラみたいに適当にご飯を見繕ってくれるならまだしも、フェリシアのご飯は誰が用意するの?あたしが用意するくおとになるよね?面倒見すぎかな?一人でご飯なんとかできるなら連れて行くのもありだけど・・・
泣きながらフェリシアは訴えてくる。そして泣きながら水球の中に入るから思わず笑ってしまいそうになる。
「ご迷惑おかけしません!ご飯も自分で用意しますし!お願いです!一緒に外の世界に行かせてください!」
フェリシアはきっと外の世界に行きたいだけなのだろう、私じゃなくてもだれでも良かったはず。だからと言うわけではないけど、やっぱり連れていけない、私たちの世界を知らなさ過ぎる。
「フェリシアのことを外の世界に連れて行くのは簡単なことなの、でもその後のことは?人は迷惑をかけあう物なの、それでお互い許しあいながら生きていく、でも許すことにも許容範囲ってあるの、さっきみたいに遊びのつもりで石を投げて人間を木っ端みじんにしたら?それは絶対許してもらえない。
ご飯だって私はフェリシアが何を食べるかも知らない。いつも何を食べているの?」
フェリシアがまた水球に入る。もう無理笑いたい。水球に入る時になぜか目をギュっとして入るのだ、可愛すぎるんですけど!でも笑っただめ、連れて行くことになる、たぶん。
「普段はキノコ全般に鳥などを食べてます」
はい、ダメー私はキノコの匂いがダメすぎて食べれないし、鳥は好きだから目の前で捌かれるのはきつい。
そのことを伝えたら、またズボッっと水球にはいって、私の腹筋は鍛えられた。
「だったらキノコも鳥も食べません!」
「何を食べて行きていくの?」
「・・・・・・・・サラ様と同じものを食べます」
「それって自分でご飯を調達しないって言ってるようなものでは・・・」
「・・・・・・・・・」
諦めて欲しいな
「私なら護衛に役立ちます!力いっぱい敵を撃破します!」
これは魅力的な提案・・・攻撃が得意な魔物をテイムしなきゃと思って居たし、テイムするのがめんどくさ・・・大変だなと思って居た所に、あの木を木っ端みじんにする腕力の持ち主が護衛してくれるとなると、これはだいぶ心強いね?
しかも武器は石。お金がかからないのもいい!
ご飯は片目をつぶったとしても意思疎通できるのは大きいし、水中にも強そうだし最強なのでは?
「ゴホン。フェリシアの気持ちは良ーくわかったけど、食べ物は変えても大丈夫なの?」
「はい!好みの問題なので!好き嫌いはダメだって言いますし!これを機に!サラ様と同じものを食べれるようにがんばります!」
これはっ・・・今は私と同じご飯を食べれないと言ってるのでは?うーんまぁ言ったからには本人の責任として
「家族にはラーゴ村を出ることは伝えてあるの?」
「伝えてはいませんが、いつも次の予言の子が村に訪れたら絶対一緒に付いていく!って言ってはいたのでわかってはいると思います」
予言の子・・・大層なワードが出てきた、文字盤に出てくるぐらいだしそうか、予言の子か・・・反抗期の予言の子ってところか、選ぶ相手を間違えたな!わはははは
「ここからさっきの湖の場所までどうやって移動するかわかる?」
「はい!水中を進んで湖にもどります!通常なら10分ぐらいです!」
10分を7分で泳ぎ切ったってことは、自慢するはずだねぇ・・・思わず遠い目になってしまった。これ絶対アウローラさんにどうやって村まで行って帰ってきたのか聞かないと!気になりすぎるよ。
「陸地の移動は無いの?」
「ないです!」
んーじゃぁ戻らないといけないし連れて行こうかな。こちらの世界の常識を教えないといけないという面倒ごとはあるけど。おしゃべりできる相手が増えるのはいいかも知れない、しかも毎回水球にズボって入るのを見るのは面白すぎる。
「今お水の中に入らないと会話できないじゃない?水球に入らなくても会話できるようになる?」
めんどくさいじゃない・・・毎回水球作るなんてさ。
「大丈夫です!私は水魔法が使えるので水球の作り方覚えます!出来るようになります!」
「なんでそんなに私と一緒に外に出たいの?」
「だって!女神さまに選ばれしサラ様にお仕えできるんですよ!こんな名誉な事無いです!」
あぁ・・・私そんなに大層な人間ではないんだけどなーもう断るのも大変になってきたし、いっかね。
「解った私と一緒にいこ ぶふぉおおおおおおおおお」
もう無理水球に毎回はいるの面白すぎる
ーーーーーーーー
本日もお読みいただきありがとうございます
面白いと感じたり、続きが気になる方は
ハート ☆☆☆ フォローいただけると励みになります
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます