第97話 スライムがついてくる

侍女様が起きるまでぼーっと何を考えるでもなく、漠然と自分の心と向き合っていた。その間にもろこし爆弾は2個平らげた。美味しかった。


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侍女さま達が起きてきて、みんなで一緒に朝ごはんを下の食堂に食べに行く。


みんなでご飯を食べながらもいろいろと考える、何を考えているというわけではないのだけど、今後の身の振り方をどうしようかなと。


収納巾着を自分たちが使う問題は片付いたし、私の隠れスキルのテイマーを使ってラクして。。。たのしく生きていくのもしっかりと考えなくてはいけないけど、まぁ今日はどうする?って話で。


朝イチでカレー屋さんに向かってもお姉さんはおらず、もろこし爆弾のお姉さんは居たので全部買い上げた。もし夕方にまた来ても買い上げるむえんを伝えると、嬉しそうにうなずいてくれた。


言葉が通じないのがなー、移住するなら言葉が通じるところがいいな、一から勉強するなんてめんど・・・大変だしね。


夢に出てきたハトはどうしてるかな?あのハトのマスターが夢にできてた私に似た少女なのだろうか?


私の悪い癖で気になる方に思考が引っ張られて、考えてることもどんどん変わってしまい、結局何一つまとまらないまま、森に来た。


昨日と同じ場所に向かって歩いていく。2回目ということもありなれてきたのか1時間半ほどでついた。私はもろこし爆弾のパワーのおかげだと思っている。


今日も魔物がたくさんいる、さすが魔物たち、毎日狩りしても翌日には現れるね。討伐されていなくてあふれ出ているのか、それとも沸いているのか?


それはわからないけど、今日もみんなで頑張って狩りをしていく、私は転ばしたり逃げないようにしているだけで、実際の戦闘は侍女様と護衛騎士の2人がやってるから、もしかして報酬を三等分するのは嫌かな?という考えがよぎる。


まぁ気にしたら負けだね!言われたら三等分やめとこう。


今日は朝早くからきたので、午前中にたどり着いた。このまま移動するかお昼ご飯でも食べてのんびりしながら湖に寄ってきた魔物を討伐するか。私がゴロゴロしたいとお願いしたので、みんなで気配を消してのんびりすることにした。


気配を消すって結構疲れるものだなと思いながら順番に討伐していく。私も風魔法で討伐する練習をするようにと言われて、しっかりと狩りをさせられる。ゴロゴロする予定が!!!


2人は風魔法を持っていないのに、私にいろいろアドバイスをしてくれて、少しは上達できたかな?ほとんど動いてない魔物担当だったけど・・・自信をつけるのが大事だよね!!!


あの2人はプロだからね・・・比べる対象が違うのだよ。そうやってのんびりしつつ討伐をしていたら、目の前にスライムが表れた。


2人に私がいけ!っと目で合図をしてくる。本来スライムって襲ってこない生き物なのに、なぜか私のことを見てふるふるしている。やる気なのか?スライムの武者震いなのか?こっちだって負けてられないよ!


ウィンド!


風魔法の刃を私から仕掛ける。はじかれる魔法!え・・・想定外なんだけど・・・ほんのり赤くなってくるスライム。え・・・?色の変わるスライムいたっけ?


動揺して2.3回風魔法をぶつけるも全部はじかれる!!!えっどうしよう、スライムさらにふるふるからぶるぶる震え始めてるじゃない!?


護衛騎士と侍女様をちらっと見ると、びっくりした顔をしている、二人も見たことがないようなタイプなのか?そして二人の目が驚愕に見開かれ魔法を私に向けて放つ。


びっくりしたけど私には当たらず後ろのスライムに向けてだったみたいで、私もスライムの方に向き直ると目のまえにスライムの身体があった。そして私の頭はスライムに包まれた。


と、溶かされる!!!死ぬ!!!息もできない!!!ともがき続けるもスライムは一切離れる気が無く、侍女様と護衛騎士が私がスライムを引きはなそうと必死になってる姿は見えるんだけど、どうにもならなくて冷静に見ている自分もいた。


息もずーっと止められるわけでもなく、だんだん肺が詰まってくるような感覚になる。身体の中にスライムが入ってくるような感覚がしてだんだん意識が遠のいてくる。


どのぐらい寝ていたのかわからないけど


ポン


という音と目が覚めた。というか私生きている?スライムに包まれて消化されたと思ったけど、生きてる?


周りを見渡すとあれ?ここは宿屋?あれ?私森にいなかったっけ?スライムが目の前でぴょこぴょこしている。


あなた!私を食べたスライムじゃないの!?ちょっと!?なにしてくれちゃってるのよ!侍女様と護衛騎士いなくなっちゃったじゃない!とぷりぷり怒ってると、スライムが反省してるかのようにぺしょーっと横に広がる。


ちょっとかわいいと思ってしまったじゃないか。でも今どんな状況になってるのかさっぱりわからない。


どうしうしようかなと思案してみたけど、どうしようもないよな。でもなんでスライムが宿屋に居るのかな?私を食べた悪い奴として宿屋につれてきたのだろうか?それならその場でスライム燃やされてそうだし・・・でも風魔法通用しなかったから、ほかの魔法もきかなかったとか?


危険な魔物として逆に保護されたとか?まだ夕暮れだから夕飯を買いに外にでるか、約束のもろこし爆弾も買わないと失礼だしね。


外にでてもろこし爆弾のお店を目指してあるく、そうだカレーの屋台にもいかなきゃね、明日のあさ大量に買えるかどうか聞いてみないとね。


あー結局文房具屋さんいけなかったなと、思いながらもろこし爆弾のお店に行くも、お姉さんが居ない・・・どうして・・・


次にカレーの屋台に行くと明るい笑顔でお姉さんがお迎えしてくれた。カレーを全部買おうとしたら、本日はぎりぎりの量しかないらしい、残念。明日の朝できる限りの量を売ってくれないかと交渉したらそれも先約があって無理だそうだ。護衛騎士が頼んでくれたのだろうか?


それならばと、一応3人前なら買えるかどうか聞いてみたらそれなら大丈夫だということで、購入して帰る。


もろこし爆弾残念だな・・・その代わりに久しぶりに瑞々しいフルーツを購入しようかな。見たことのないフルーツが売っている。気づいてなかったけどスライムも一緒についてきていたようで、一緒になってフルーツを探している。


なんだかこの光景見たことある気がするな・・・気のせいかな・・・


そして気に入ったフルーツの上でぽよんぽよんしている。え?それを食べるということ?まって私スライムをテイムした覚えないんだけど、なんでこんなになついてるんだ?


お店の人も、スライムが触ったものだから買ってもらわないと困ると言い始めた。しょうがないから購入する。私は見たことのない、なんだか少し長くて触るとイガイガしているものを購入してみることにした。


どうやって食べるのか聞いてみたら、切ってあげようと言って切ってくれた、まずは皮を取り除いて中の芯みたいなものをとって、まっ黄色な実を小さく切って私に渡してくれた。


一口食べてみると・・・スッパイ!甘い!なんだこの味は!じゅわっと口の中に酸味と甘みが広がり、よだれがばぁーーーっと出てくる。


これはお肉と焼いて食べてもおいしいし、このまま食べても美味しいそうだ。ただお肉と一緒に食べるのは人の好みがものすごく分かれるからいきなりいっぱい食べてはだめだよと言われた。


この果物はパイナップルというらしい、ほかにもドレ国でしか食べれないものがあるか聞いてみたら、マンゴーと言う物も1個買ってその場で切ってもらい、食べたらほっぺたが落ちるんじゃないかと思うほどに、甘かった。ドレ国より南の国ならどこでも食べれるらしい。


それならばと、今お店に置いてあるマンゴーとパイナップルを全部ほしいとお願いしたら、裏にもケースでおいてあるけど、好きなだけ買っていきなといわれたので、パイナップルは20個、マンゴーは1ケース購入して店を出た。


ちなみに、スライムはスイカを気に入ったよう。


ウキウキしながら宿に戻ると、お葬式のような顔をした侍女様と護衛騎士がご飯をもそもそ食べていて


「あー!ごはんたべてるー!」


と言ったら二人ともガタッっと立ち上がり私のことを攻撃してきた!死んじゃうよ!!!なんか知らないけどスライムが全部攻撃をはじいてくれて助かけど、二人はまだ戦闘態勢のままだ。何があったの?


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