第112話 レオンと対話

変な顔をしているけどどうせどこかから見張っててゾロが誰だかぐらいすぐ検討着いたみたいだし何も言わない。


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宿に戻り、レオンにはフロントで待っていてもらう。部屋に侍女様か護衛騎士のどちらかしか居なかったら、フロントで待っていもらい、もう一人が帰ってきたら、一緒に部屋にあがってもらう。どちらも居なかったら、両方とも帰ってくるまでフロントで。二人ともそろって居たら、私が呼びに行く。


部屋に入ろうとしたら、ギシギシ言ってるので、ドアに手をかけるのをやめて、フロントに戻る。



「明日の朝、8時ぐらいにまたここに来てくれない?」


「何かあったのですか?」


「今二人は忙しいみたいだから、今夜は無理かな?」


あぁーという顔をしながら


「一人で大丈夫ですか?私が一緒に居ましょうか?護衛になると思いますよ、僕こう見えても強いので」


と言ってくるけど、レオンと部屋で二人っきりになっても恐怖しか無いので、お帰り頂くことにした。


私はどうしようかな・・・もう一つ部屋を借りよう。フロントの人に聞くと部屋はあると言うので、借りることにした。


”二人が忙しそうなので、別に部屋を取りました。場所は2階の203です、明日の朝8時にフロントにレオンが来るので一緒に来てください”


二人が運動会をしている部屋のドアの下にメモをそっと入れておく。久しぶりの一人ではないだろうか?


3人で借りた部屋より小さく、一人だけど二人用の部屋を取った。贅沢なことに王宮生活で広い部屋になれてしまったようだ、監禁されていたこともあり、閉鎖的な所も心理的に嫌だったので、一人部屋より広い部屋を借りた。お値段は金貨30枚、一人用だと金貨20枚と言われた。もしかしたら結構良心的なお値段なのかもしれない。


部屋に一人になり一息つく。ゆっくりシャワーを浴びてから下着一つでゆっくりと夕飯を食べる。お腹も一杯になり、ベッドの上に行きだらしなく寝転がりながらもろこし爆弾を食べる。


映画見たいなーと思いつつ、王宮から持ってきたお高そうな絵の描いてある図鑑を眺める。


何を考えてるわけではないのだけど、何となく思いを馳せる。家族たちは元気にしてるだろうか?前世の両親はどうしてるだろうか?また明日も変わり映えなく狩りに行って、この町に滞在するのだろう。


1日ぐらいごろごろしていたいけど、この世界はお休みの日だからってゴロゴロする人はあまりいないから、今の私も全力でゴロゴロするのは苦手だったりする。こうやって夜の合間にゴロゴロするのが丁度いい。


うつらうつらして、寝落ちしそうになっていたら、扉の取っ手がガチャガチャ言っている。だれだろー?とうとうとしていると、ずーっとガチャガチャ音がしていておかしいよね?


流石にハッっとなってまずい下着だ!と思って急いで服を着る。その間もドアノブはずーっとガチャガチャ言っている。


念のため光魔法で見えなくしといて、もし扉が開いたらフラッシュで目潰して侍女様と護衛騎士の元にダッシュだ。


しばらくガチャガチャ回す音がしたけど聞こえなくなった。諦めたのかな?どうしようかな、起きていれば収納巾着にしまったりフラッシュでどうにかなるけど、寝てしまうと対応ができないしなぁ?


と思ってドアを見ていると、下からぶよぶよとなにか見える、あれはラロかな・・・ラロがカギを開けて中に入ろうとしていたのか?まさかぁーぬめーーーっとなって下から入ってくればいいだけじゃない?もしかして入れない?スライムにもサイズとかいう概念あるの?


えっ!?逆に気になりすぎない?どうしよう?そんなことを考えていたら、窓をコツコツ叩く音がする。え?何か音がすると思って外を見ると、そこにはハトがいた。


思わず窓を開けてハトを中に入れる、ハトを入れた後は素早く窓を閉める。


「ハト久しぶりーサラの時の記憶思い出したよ、結構早くにテイム解除したと思うけど、なんで今の私を追いかけてきたの?」


「グーグーッポッポー」


「何言ってるかさっぱりわからないんだけど・・・テイムして欲しそうにしてるけど、テイムしていい?言葉が通じなさ過ぎて・・・」


ハト胸を強調している、たぶんいんだろう。


ハトの頭の中に直接響くように心の声を乗せてテイムとつぶやく。


テイム 1回目 失敗

テイム 2回目 失敗

テイム 3回目 失敗

テイム 4回目 失敗

テイム 5回目 失敗


「えっ!?なんで?ハトのことテイムできないよ?なんで・・・?」


よりハト胸がそり立っている、何かとても自慢げだ。


「ハトはハトじゃないの?」


「グーグーポッ「あれかなもしかして、ラロにバージョンアップされたから普通のハトではなくなってしまったとか?」」


鳴くところをかぶせて話してしまったので何となく機嫌が悪そうにも見えるけど、ハト胸を強調している。なるほど・・・言葉が解らずともハトが何を考えているは理解できそう。細かいところまではわからないけど。


「ハトのことをテイムするの難しそう、ラロの時はすぐだったのにね。時間かかるかもしれないからしばらく一緒にいる?」


ハト胸を強調。うんわかりやすい。


「それとね、レオンのことなんだけど」


身体をドリルのようにぶるぶるさせている、嫌なのかな?まぁいいや一気に話してしまおう。


「レオンは私の事をサラだと思って居るの」


ハト胸を強調している。可愛すぎて一気に話せない。


「でもね、私はローラなの」


ちょっと丸くなってる、シュンとしている?


「もしねハトも私の事をサラだと思って接してくるのなら、私は受け入れられないの。今はローラって名前があるからね。ハトのことテイム出来たら詳しく聞かせてね」


ハト胸を強調している。かわいいな!!!でもハトは気まぐれに飛んで行ってしまうから、明日にはいないかもしれないけど、楽しく過ごせたらいいな。


ドアのガチャガチャのことはハトのことですっかり忘れて、深い眠りについた。


朝起きるとハトは私の髪の毛の上に座ってこちらを見ている。私の髪の毛が巣にされてしまった。フンついてない?大丈夫?と思って確認すると、自分のテリトリーは汚さない主義のようで、しっかりとベッドの下に落ちていた。ハト賢い。


朝食をゆっくりたべる、ハトも欲しそうにしているから卵の白身の部分をあげた。たまご塩スープも飲みたそうにしているけど、塩分はダメだ。前世の記憶がよみがえってしまったので、人間が食べる味の付いたものはあげられない。


執拗にスープを狙ってくるハト。さえぎる私。時折私の手をつついてくる、そんな脅しには私は負けません!ハトには長生きして欲しいので!


ハトが自分は特別なハトだから塩ぐらいどうってことない!と言ってる気がする?あれ?まてよ?ハト何年生きてるんだ・・・?私が死んでから・・・え?ハト長生きすぎない?まってまって、それならなおさら味のついてるご飯なんてあげられないよーものすごい高齢じゃない!だめだめ!


じゃぁと、サンドにはさんであったレタスを献上する、もちろん洗ってからあげた。美味しそうに食べている、この光景を見てるだけでほのぼのするな。


逃亡に狩り、冒険者と過ごしてきているけど、心のどこかで平和主義というか平和ボケの自分が居るのも理解はしている。


この身体に3人ぶんの記憶があって。前世は1/3以下だから、魔物たちを狩りするのに忌諱は感じないけど、できることなら争いごとは避けて過ごしたい自分もいる。


こうやって日がな一日を動物たちのご飯をあげて食べてるのを見て、お茶してのんびり過ごすスローライフを送りたいので、若い時に本当にがんばらなきゃなって、改めて気合が入る。


ハトがレタスを食べ終わり、そろそろ良い時間なので下のエントランスに降りる。侍女様、護衛騎士、レオンはすでに居る。3人ですでに何かを話し合っていたようだ。


「おまたせしました」


と勢いよく階段を下りた。そしてレオンの方に顔を向けて


「お話したいこととはなんでしょう?」


私の頭の上にはハトがいて、格好がつかないけど気にしてはいけない。


「私が間違っていました」


「何が?」


「ローラのことをサラと思い、過去の気持ちに引きずられていた事です」


「うん」


レオンは本当に反省したのだろうか?反省しているフリをしてる場合もあるから油断はできない。


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