第12話 必死にしがみついた先は
スキル発動 成長
雄たけびを上げ始めるクマ、痛いよね、ごめんね、大事に全部使わてもらうから死んでくれ!と願いつつ、意識を集中しながら、スキルを絶妙にコントロールしながら、成長を使い続ける。
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3分もたっただろうか、クマの口から木の枝っぽいのが出てきた。野生の動物なら一つや二つ必ず種を食べている、私は成長スキルで種の発芽を促した、種を食べていなかったら、私が死んでいたし運がよかったんだろう。
必死に魔力コントロールしてたのは、何も考えずにスキル成長を使うと、ものすごい勢いで発芽し成長していくので、逆に活動を抑えるためである、コントロールをしなければ皮膚を突き破って売れる素材がだめになる為。私頑張りました。
つぶれたゴブちゃんの代わりにクマをテイムすればよかったかもしれないと、目の前で横たわるクマを見ながら頭の片隅をよぎったけど、そんな余裕はなかったので、次はもうちょっと余裕をもって戦闘をしたいなとおもったけど、魔法の練習は一切しないため、無理だろうな。私は無理をしない主義だ。
クマは血も売れるので、魔羊さんに少し穴を掘ってもらい血を抜く。血行の循環がよくなり滋養強壮にいいらしく、とても人気なんですって。入れ物がないのでとりあえず鍋に・・・この鍋はもう洗っても自分のご飯用に使いたくないから、外用のなんでも鍋にしよう。新しいお鍋買うのが楽しみ、お買い物は楽しいからね!前世のようにつるつる鍋が欲しいな。もちろんこの世界につるつる鍋はないんだけど。誰か転生者の人が発明してくれないかなぁ。
なれない戦闘をするもんじゃないと思いながらなんとか血を抜き、クマも空間収納に入れてしまう。
ゴブちゃんという心強い護衛が居なくなってしまったので、戦闘員をテイムしたいと思う。ご飯を集めてくれる人が居なくなったのはきびしいけど、あの匂いがなくなったと思うと、少しホッとする気持ちも捨てきれない。次はせめて臭くない子がいいな。
次の町にとりあえず進もう。次は何をテイムするか考えていないから、いったん街道の方に出たいと思う。疲れちゃったので、魔羊ちゃんの上に乗せてもらう。
街道に出た魔羊ちゃんが突如走り始める
「あばばばばばばばま・・・しつぅーーーーじさんんんんんんんんん!と・・・まぁあ”あ”あ”ああああああああ”っでえええええ!」
止まらない魔羊、舌を噛みそうになる私。
「まままっままままあああああああって」
止まらない魔羊、言葉の出ない私。
「とおおおぉぉおおおおおおまあああああばばああああれえええええええ」
止まらない魔羊、振り落とされそうな私。そして振り落とされた。
しばらく立ち上がれない私、こおゆう時ってスライムがこうガバーっとなってクッション材になってくれたり、ぽよーんってなって守ってくれたりするのが物語なんじゃないの?
魔羊さんと目があう。全く反省してない目をしている。
くいっっと首を後ろに乗れと言うしぐさをしてくる。
嫌だと首を振る私。
乗れと指示をしてくる魔羊さん。
嫌だと首を振る私。
魔羊さんがゆっくり近づいてくる。トンとお腹のあたりに頭を当ててきたと思ったら、うまいこと背中に乗せられてまた爆走する魔羊さん。
必死にしがみつづけて何分経っただろう。永遠とも思える時間、それとも一瞬だったのか。魔羊さんが止まった。あまりにも必死にしがみついていたので、手がガッチガチに固まってしまって、降りることもできない。周りを見る余裕もなく、空間魔法と光魔法を使って私の周りを見えなくして、落ち着くまでこのままで。
「魔羊さん?なんでとまってくれなかったの?」
「めぇぇぇぇーーーめぇめぇめめぇめめめぇぇぇ---!!!」
「護衛のゴブちゃんが居なくなったから気お使って早く着くように移動してくれてありがとう、でも私振り落とされないように必死だったよ?説明してくれたら、落とされないようにしっかり固定して座ったのに」
「めっ」
「サプライズ?それはいらないかな・・・振り落とされたし、擦り傷で来てるし大変だったよ!!私君たちみたいに、運動能力高くないんだよ、だから今度から事前に確認とってくれると嬉しいんだけど?」
「ん”めっめぇめぇめめぇぇぇぇぇん”めっ」
「連れてきてくれてありがとう、そこは感謝してるよ。名前つけてくれないからってそんなに怒らないでしょ、名前つけた方が絆が強くなるのはわかってるけどさ、私は北の町ぺスカに着いたらテイム解除する予定なんだよ、名前つけちゃったら情が沸くじゃない?だめだよ、魔羊さんは自然と共に生きた方がいい、今は私と一緒に過ごしてるけど、そのうち自然に戻りたくなると思うよ」
「めぇめぇめぇ!」
「わかった、いったんこの話は保留ね、また北の町ぺスカが見えてきたら話し合おう」
困ったなぁ、こんな風に一生懸命訴えられると、ますます情が沸いてしまう。今だってだいぶ情が沸いてて別れづらいというのに・・・・
郊外の広い一軒家を借りれて、クエストももらえたら、一緒には過ごせるけど、今の状況は先が見えなさ過ぎて何も約束できない。いったん保留と言ってごまかすしかなかった、私だって一緒に居たいし、素敵なベッド・・・一緒に寝ると楽しいからね。
色々と思考がぐるぐるしていたら、だんだん手のこわばりが取れてきて、あたりを見回す余裕ができた。
遠くに町が見える・・・魔羊さに必死にしがみついてきた結果が3日かかる道のりのうち、残り2日だったから、2日分の距離を一瞬できたってこと?そんなに早く走ってたの?振り落とされたのが1回だけでよかった・・・
とりあえず
「魔羊さん町が見えてる!こんな近くにまで運んできてくれてありがとう!」
「めぇぇぇ~!」
ドヤ顔でご機嫌だな大変だったけど、これはこれでありがたいかもしれない。でも今日の移動は無しだ、二度とごめんだ。
今日は街にとまりますかぁー食べすぎちゃった干し肉も魔羊さんが頑張ってくれたから、なかったことになったし、なんなら予定通りだし!
街に近づくと門番の方がいらっしゃるじゃないですか。全国民が持っているネームプレートを出す。これがすべての証明を兼ねている。冒険者ギルドも、商業ギルドも、出身地、スキル、魔法、両親や自分の誕生日、これにすべての情報が入っている。
生まれてすぐにスキルと魔法の確認をしたときに、ネームプレートは発行される。一番最初に登録されるのは、1滴の自分の血と、私の名前、両親の名前、そしてスキルと魔法が登録される。もしうっかり落としたりしても、血を登録しているので、悪用されたり情報を知られることにはならないとっても優れものだ。
そして一番びっくりしたのが、なんとこのネームプレートは銀行カードとデビットカードにもなっている!ATMみたいな便利なものは無いけど、国や街で運営している施設にいけば、簡単にお金はおろせるし、お店で買い物をした時も、現金のやり取りをしなくていいようになっている。
そんな便利なものがあるけども、街の中では現金でのやり取りも同じぐらい利用されている。
ネームプレートがあるおかげで、金銭目的の強盗や追いはぎなどの犯罪は少ない、あるとしたら、積み荷を狙った強盗、ぐらいなもので、その強盗ですら、すぐに国から派遣された騎士団によって、掃討されてしまう。
他の国には行ったことがないから解らないけど、この国の人間にとっては、かなり安全な住む場所となっている。その代わり、魔物は多いと思う。人間同士で争ってる時間がないぐらいに、魔物の被害は深刻だということ。どこかでバランスが取れれてるんだなって妙に感心している。
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お読みいただきありがとうございます
明日も2話更新します
楽しなと思ったり、次がきになる方は
いつも♡☆、フォローありがとうございます
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