第2章

第10話 出発!

眠りにおちながら、もっと王都の食を満喫したかったなぁーってほんの少し名残惜しい気持ちになるも、きっと新しい街でも楽しいご飯が待ってるに違いないと言うわくわくもあって、その日の夜は両手で抱えきれないほどのお肉をもってわははは言いながら食べてる幸せの夢を見た。


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朝、新しい出発の日だ!朝と言っても10時は過ぎてるんだけどね、夜行性って10時は早朝だからね、ずいぶん早起きしたと思うよ?


旅には体力が必要だと思うので、朝ごはんを食べてから出発したいと思う。部屋をでて玄関を出ようとしたら、目の前にやたら豪華な馬車が止まってるじゃない、これは間違いなくレオ様の馬車っぽい、確信は持てないけど。


今絡まれると大変だから裏から出よう。いつも同じご飯を食べてるから、いつもの朝ごはん屋に居るかもしれないし、断腸の思いで朝ごはんを食べずに北の門向かい出発をした。食べ物恨みは大きいぞ。


なんで今日街を出ることを知っていたんだろう?


怖い、ひたすら怖い。


少し小走りになりながら、北門まで来た。王都に来るようなわくわくも少しある。新し出会いや、食べ物がとても楽しみだ。新し一歩を踏み出す。さわやかな風とはいかないけど、生ぬるい風が吹き抜ける。今は夏だからね。それでも幸先良し!天気も晴れてて最高のスタートだ!


昨日テイムした魔物たちと早く合流して、少しでも楽して北の街ペスカを目指し、楽しい日々とスローライフを目指したいと思う。


魔羊さんとゴブちゃんとの待ち合わせ場所にまずは向かうことにしよう。


(ハトどこにいるー?)


返事がない、まさか?でもつながりが切れた感覚も無いし、返事をしたくない何かがあるのだろう。生きてるならいいか、ハトの意志で私の元を離れたいと思って居るならテイム解除をしようと思う。


ハト テイム 解除


さよならハト、スライムに食べられた時は本当にびっくりしたけど、バージョンアップして登場した時はもっとびっくりしたけど、そのせいなのか?自分の意志でしっかりと道を決められるなら私はマスターとしてのお役目は終わりだね。


街を出る時よりなんか悲しいけど、ほんの数日だったけど楽しかった、本当にありがとう。さぁ、歩くか。


自分を奮い立たせるために、次の町でどんなご飯があるか、どんなご飯を食べるかを楽しみにしながら、食べれなかった朝ごはんの代わりに、魔トリの干し肉を1枚取り出し、食べながら歩き始める。


ぼーっと干し肉を食べながら歩いていると後ろから人が近づいてくる気配がする、街道だしまだ王都を出たばかりだし、人の気配がするなんて当然だよね。と気にせず歩いてるんだけど、足を速めようとも遅めようとも、付かづ離れずでずーっと同じ距離を保たれている。まだ首都オチャーから大して離れていないのに、気になってきた。


さすがの私のピン!ときた!これは後をつけられてるのでは!?そーっと振り返ってみると、そこには誰もいなかった。そう、誰もいないのである・・・


えっ

怖い

どおゆこと?


しばらく歩いてても足音はする。今度は思い切ってバッっと振り向いてみる。やっぱり誰もいない・・・


隠密スキル使ってる人がいるのかな?それにしては足音聞こえるし、うーん、気のせいか!レオ様のせいで気が立ってるに違いない、足音だって気のせいに違いない。


更に歩き続けていると、魔羊さんとゴブちゃんの待ち合わせ場所付近に到着した。


(魔羊さんどこですかー?街道の右側にいますか?左側に居ますか?)


(左側に居ますよ)


(軽くジャンプしてもらってもいいですか?)


(ぴょーんぴょーん ここだよー!)


(居たありがとう、もうジャンプしなくていいよ)


魔羊さんの真っ白なけがぴょこぴょこ見えたので、そこに向かう。街道からほんの50メートルぐらいのところだと思う。歩いて近づいていくと、スライムちゃんがお腹の肉の擬態をやめて、魔羊ちゃんの背中にちょこんと乗っかる。乙女心は複雑なままだ。


ゴブちゃんはというと、大量の獲物を手に入れたようで、ギャギャっと嬉しそうに獲物を見せてくる。ありがとう貴重なごはんにさせていただくよ、みんなで食べようね。


それらの獲物を空間収納に入れてみんなで歩き始めることに、私が居れば街道を歩いてても、ゴブちゃんが居ようが魔羊ちゃんがいようが、問題ないので道の整備された街道を歩きたいと思う。


しかし不思議なのは、ゴブちゃんは昨日水浴びをさせて、だいぶ匂いが軽減されたのに、本日絶賛臭いのである。これは街道行く前に水浴びをさせないといけないなと。


もう少し街道から離れてゴブちゃんを私の水魔法でざぶざぶ洗うことにした、なんでこんなに匂うんだろう、というか匂いが復活する謎の布ってこと?


私はピン!ときたね!それって謎が解ければ、フローラルな香りを付与して香りがなくなってもまた香りが復活するという、謎の布を作れるのでは?ただの匂いが永続的に続く布だと思って居たけど、その上を行く布だとしたら!一攫千金狙えるのでは?やっぱりテイム解除する前に、この腰布の謎を解明しないと!


しっかし臭い・・・なぜ臭いのか、なぜフローラルな香りじゃないのか・・・女神さまはなぜゴブちゃんを作ったのか、そして臭い仕様にしたのか。考えたらきりがないけど世の中納得できないことなんて、腐るほどある。私が考えるだけ時間の無駄だから考えないで、おひるご飯はゴブちゃんがとってきた獲物の中から、何を食べようかなと考えながら歩く。


そして買った干し肉を食べつつ歩いてたら、いつの間にか夜になっていた。ん?お昼ご飯は?


それはね、ずーと干し肉食べてたからそんなにお腹すかなくて、気づけばずーっとあるいてたんだよね。うん。


買った干し肉60枚。食べた干し肉6枚。夜用の干し肉2枚分を食べてしまったね、ちょっと食べすぎちゃったかな?テイムした子たちは適当に歩きながら食べてたので、問題なさそう、ゴブちゃんもなにやら懐からこっそりむしゃむしゃやっていた、足がいっぱいある昆虫らしきものだった、美味しそうに食べたよ、見なかったことにした。それぞれの好みは違うからね・・・


日も暮れてきたので、野営の準備をしたいと思います!街道から少し離ところに場所を作りたい、理由はいろいろあるだけどね、それは私が持ってるスキルに関与するため、あまり人に知られたくないなと。


ゴブちゃんに焚き火用の木を集めてもらって、魔羊さんには少しだけ穴を掘ってもらう。スライムちゃんはその辺の草を食べてて、ハトはもう居ないんだなとちょっぴり悲しくなる。


まずは空間魔法を使って、私達がいるエリア半径3メートルぐらい、空間調整の正常化を行う。これは空間魔法を展開した空間のみに適応される魔法で、その空間に正常化を行うと、煙が出ようが霧が立ち込めようが、空気に毒が含まれてても、常に元通りになるとても便利な魔法になる。


隠れスキルの光魔法を使って、外から見ても私やテイムした子達、焚火などの明かりも、周りから見えない様に、光の屈折を適当になんとなく使って、中を見えない様にする。


某額に稲妻マークのある眼鏡の子が持っていた透明なマントみたいな仕組みだ。仕組みは良くわかって無いけどそこはほら、適当にやればなんとかなった。あとはイメージ力だ。任せて欲しい。


結界魔法ではないので、もし徒歩でうっかり獣や魔物、人が魔法をかけた範囲に入ってしまうと、結界魔法ではないので普通に見えてしまう。決して万能なスキルではないんだけど、便利が良いと思って居る。


私が持ってる空間魔法は、空間をつかさどる魔法だから、イメージ力次第でいくらでも可能性を広げられる魔法だと思う。空間収納、空間調整など、他にもあるかもしれないけど、今現時点で生きてる時に必要なのはこの二つぐらい。必要以上に勉強はしないタイプなので。


ゴブちゃんには殺気や下卑感情を察知した時だけ、攻撃するように頼んでから、魔羊ちゃんに寄り添って、眠りにつくことに。だんだんと意識を手放していくときに、ガサッっと音がした気がするけど、眠気の方が強かったのもあって、寝てしまった。


ゴブちゃんがきっと退治してくれるはずだからね。


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