没案 あるいは改訂前の一部

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 解答 美並菜水 第三話 悪意 の没案。


 読まなくても、特に問題はありません。


 本陣が黒島に厳しい言葉を浴びせる場面ですが、当初はもっと短かったです。で、本陣が他に思っていたことは、その後の美並との会話で話すといった流れでした。


 ただ、本陣にほんの少し言われただけで引き下がる黒島。言うなら大体のことはその場で言いそうなのに、言わない本陣。本陣を止めるタイミングが早過ぎる美並。それらに違和感があったことと、本陣があの場で直接言ってあげないと、黒島がほんの少しの改心もする気がしないので、没にした会話部分です。


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 言葉がぽんぽんと出てくる。楽しい。


「でも、熱くなったって何に?流石に責め立てるのが趣味とは思えないけど」


 私は私で、質問をしてみる。


「嫌いなんだよ。自分の理想を人に叶えてもらおうとすることが。本当は黒島が姫川のようになりたいのに、それには相当な努力が必要だから、大好きな姫川に姫を維持してもらおうとかな」


 同一化ってやつかな。もっとも、これは本陣くんの推測であって、当の黒島さんが本当にそう考えているかは分からないけど。


「その維持にしても、姫川の努力任せ。姫川に近い学力を身に付ければサポートもできるだろうに、自分ではその努力をせずに、脅威となる人物、今回でいえば美並に落ちてもらおうとする」


 成程。姫川さんに私に、とにかく他人頼みなことが、としているということか。


「本当に、最悪だ。姫川も、美並も、黒島の欲求を満たす道具じゃないのにな」


 その言葉を言われて、私は本陣くんを見つめたけど、すぐに照れて下を向いた。


 とても、嬉しい。


 でも


 姫川さんの後なんだね。


 気にすることではないかもしれない。ただ漠然と姫川さんの名前が先に出ただけかもしれないのだから。いや、そもそも何でそのことを気にしてしまうのか。


 私は、おかしくなってしまったのだろうか。


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 本陣が姫川の名前を先に出したことに対する美並の反応も違っています。

 ちょっと気にしすぎですね。


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