世界を、変える。

「強かったぞ。2世。」


 モルドレッドが握手をしながら、笑顔で話してくれた。


「あ、ありがとうございます...」


 握手に応じる。そこで、緊張の糸が切れたのだろう。急に力が入らなくなった。


 僕はその場に座り込む。


「おい、大丈夫か?」


 モルドレッドが手を差し伸べてくれる。


「すまん。大丈夫だ。」


 ありがとう、と呟いてモルドレッドの手を取る。


「一つ、いいか。」


 黄金の鎧を纏った人物がやってくる。エクスカリバーだ。


「アーサー2世、いや、。聖剣をどうやって見つけて使えたんだ?」


 アーサー王伝説によると、ベディヴィエールが聖剣を湖に投げ入れたとなっている。それを知っているからこその疑問だろう。


 僕は城の中のアーサー王との会話を二人に話した。


「なるほど...」


「へぇ...」


 そして、2人が同時に僕の名前を、呼ぶ。


「「アーサー。」」


「はい。」


「これからどうしますか?」


「これからどうするんだ?」


 二人が問いかけてくる。協力してくれるのだろうか。


「世界を、変えたい。2人とも、力を貸してくれないか?」


 そう聞くと2人が膝まずつく。


「「仰せのままに。我が王よ。」」


 2人の意見は一致していたらしい。


 ――――――――


「それにしてもどうすべきかなぁ...」


 シュバリエ帝国で反乱をおこし、国と国の戦争にしたい。が、それでは自分の理想と異なってしまう。


 つまり、3人で世界を変えなければいけないのだ。


 戦力は足りるが、人員が足りない。


 ここが今の課題である。


「王よ。俺に1つ、提案があります。」


「それはなんだ、モルドレッド。」


 モルドレッドが膝まずきながら話す。


「円卓の騎士を集結させましょう。ここには俺しかいませんが、ヨーロッパで他の騎士が復活しており、ヨーロッパ全域の防衛を担当しています。彼らなら、十分な戦力になりえます。」


「しかし、ここからだとかなりの距離があるぞ?」


「往復で2日はかかります。」


 往復で2日しかかからないのは凄すぎないか...


「なるほど...では、大国のロシアを私とエクスカリバーで潰そう。」


 国連軍がまたいつシュバリエ帝国に来るか分からない。今のうちにできる事をやろう。


「我、承知した。」


「分かりました。俺は今から向かいます。」


 2人がコクと頷き合い、モルドレッドは風のように消えていった。


「王よ。今から行く感じかな?」


「もちろん。」


 僕の世界を変える物語がここから、始まる。



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