エクス我リバー。

 嫌な予感。


 これは何だ。


「エクスカリバーっ!」


「王よ。お気づきに?」


 我が王も違和感に気づいたらしい。


 ヒュォォ...


 空からか?


 音が近づいてくる。


「これはミサイルか...?」


 空から来る何かの物体に王は心当たりがあるらしい。


 ミサイルとは何だろか。疑問に思いつつ見ていると、我はある事に気づく。


「これは...呪われているっ...!」


 誰の仕業か分からないが、この呪いは。つまり、我が、アーサー2世が死ぬという事を意味する。


 なぜ、アーサー2世も死んでしまうのか。それは聖剣の再生の秘密にある。これはアーサー王から話して貰った事だが、再生を獲得する過程で魂を変換し、体の構造を変化させるらしい。つまり、魂が傷つくと再生能力も傷つく事を意味する。再生に時間がかかることになるし、死ぬ可能性すらある。


 アーサー2世は肉体状態のため、肉体のない存在(我やモルドレッドなど)の攻撃を受けても魂が傷つくことはない。今回のような呪いなどの直接魂を攻撃できるものでなければ。


「王よ!お逃げ下さい!あなたが死んではいけない!」


「私は再生できるから安心してくれ。それより、ミサイルの爆発を防がないと、民間人に被害が及ぶのを避けなければ。」


 違うのだ。あれは違うのだ...!


「あれはがあるのです。あの呪いは王の再生能力を無力化してしまうかもせれないのです!」


「そんな馬鹿な...」


「我が行きます。王は逃げて下さい。」


 全てを解放しろ。あれを地上に到達させてはいけない。空中で破壊するっ!


「エクスリバー。」


 剣が消失し、金色の輝きがエクスカリバーを纏う。


 剣を、纏うだけではない。そもそも円卓の騎士は力が大幅に制限されている。だから、『解放』という技を使う事で一時的に魂を解放し、本来の力を発揮する事ができる。


 では、その一時的な解放を爆発させ、本来以上の力を発揮する事は出来ないか。





 その解答は、『存在する』。





 我が開発した、王を守るための最大最強であり、自爆技。




 それが、エクスリバー。




「待て、エクスカリバーっ!」


「なるべく遠くへ。」


「エクスカリバー!」


 王は悲痛な顔をしている。苦しさに耐えている、顔。


 安心して下さい。我はいつでもあなたの事を見守っていますから。


 我は最後に、にっと笑いかけた。そして。




「おおぉぉおぉぉっっっ!!」



 地面が割れ、爆風が発生する。我は、今、大空にいる。




「奇麗な青色だ...」




 欲を言うならば、この青空を王と一緒に見たかった。新しい世界を作り出したその瞬間に。




 数秒足らずで、ミサイルといわれる破壊兵器に近づく。


 拳を握る。すると、光の剣が手の甲から作られる。










「さらばだ...アーサー2世よ。」













「エクスッッッッッカリバぁぁぁぁぁぁあぁーーーっっっ!!」











 渾身の力を振り絞り、光の剣でミサイルを真っ二つにする。


 そうして、爆発に巻き込まれる―――


「我の体は死ねど、我の魂は死なず…」


 そう呟いてエクスカリバーの意識は途切れた

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