核兵器を、使用する。(3/12一部修正版)
以外というか、自分達が強すぎなのだろう。
30分もしないで殲滅が完了した。
地面には数えきれないほどの死体が転がっている。
だが、不思議と、心は落ち着いていた。
「ここまで人数がいれば、ロシアの軍隊の数は少ないかな?」
銃弾によってできた傷は深くなかったが、徐々に治っていく。それを見ながらエクスカリバーにそう問いかけた。
「多分だが、そうでしょう。行ってみないと分かりませんが。」
「じゃあ行くか。」
夕方に差し掛かってきた。
―――――――――――――
最終的にロシアは壊滅した。空は黒煙と夜空に包まれ、陸では火薬の匂いと、崩れた瓦礫の埃が辺りに舞っている。
夜だというのに、朝のような明るさが街を包む。普段と一つ違うことは街が火に包まれている事だろうか。
大統領はこのロシアにはもういない。
この国は今、僕とエクスカリバーによって終わった。
シュバリエ帝国という名前にしたいが、それで僕達とシュバリエ帝国の関係がバレてしまうのも避けたい。
「王よ。国名はどうしますか?」
エクスカリバーが聞いてくる。黄金の鎧には、真紅に染まった液体があちらこちらについている。
「シュバリエ帝国ってしたいんだけどなぁ...」
「なるほど。シュバリエ帝国がまた攻撃される可能性を心配しているのですね?」
「うん。」
その通りだ。流石エクスカリバー。聡明だ。
「ならばこれはどうでしょうか。
「
そこはアーサー王が眠りについている伝説的な島。名前の通りならば、伝説、つまり円卓の騎士を具現化してくれているのだろう。
アーサーとしての名前、円卓の騎士と共に歩んでいる身として、この名前は名誉に当たるだろう。
「
ロシアは一人の青年によってアヴァロンという国に命名なれたのだった。
————————
プルルルル...プルルルル...
私はアメリカ大統領リーズだ。今、ホットラインを通じてロシアのウーゴン大統領から電話を貰った。
ロシアが侵攻されているのは知っていた。だが、それしか情報が手元に無かった。
「通訳を頼む。」
急いで繋がなければ。電話がきたということは何らかの危険が迫っていることを意味する。
「了解しました。大統領。」
「御機嫌よう。ウーゴン大統領。」
『こんにちは。リーズ大統領。私はもうじき死ぬだろう。時間がないのでこちらが一方的に話す事を謝る。黙ってきいてほしい。』
ロシアが負けそうなのか?私は改めて危機感を感じた。国連軍が撤退した時と同じくらいに。
『2人の人間によってロシアは壊滅状態に陥っている。国の軍事力の9割は消滅した。核兵器も、我々には使う事が出来ない。我々は――遅すぎた。』
ウーゴン大統領がふぅと息を吐く。
『人類を守るために、アメリカに酷な選択をさせてしまうが―――』
ここで言葉が途切れる。悩んでいるようだ。私も薄々気づいている。この行動は国際社会の批判を浴びるだろう。
『核兵器の使用をお願いしたい。』
そこで電話は途切れた。もう繋がることはないだろう。
ふぅ…
背もたれに背中を預ける。
「大統領…」
「分かっている。」
あの方の予言通りだった。
…
……
………
無言がつづく。だが、私の心は決まっていた。
「核兵器をロシアに使用する。」
——————
私はスイッチを——押した。
――――――
1人残された部屋。今、私以外は仕事に追われているだろう。
この選択は正しかったのか。
すると、1人しかいない部屋からもう一人、影から出現した。
フードを被っているが、杖を持っている。魔術師のような服装と佇まい。彼はマーリンと名乗った。
「マーリン殿…」
「私の言う通りだったな。あとは、呪いをかけておこう。」
「やはりあなたはアーサー王伝説の…」
「その通りだ。私は今世のアーサーを殺さねば。数人も賛同してくれている。」
「数人とは…?」
にぃとマーリンは不気味に笑う。
「伝説の円卓の騎士達だ。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます