アーサー2世。(3/15一部修正版)

 やはり強い。だが。我としても負ける訳にはいかない。


「モルドレッドッッーー!」


 ガキィン


 ガンン


 ガキィィイン


 三連撃が互いの剣で重なり合い、火花が散る。


「解放。エクスカリバー。」


 一瞬の後退した隙を使い、本気を出す。


「へぇ。本気で相手してくれるんだ。光栄だね。」


 嬉しそうにモルドレッドが呟く。


「おまえは本気を出さないのか?」


「うーん。本気出すとお互いヤバいからなぁ。」


 確かに。ここで本気で戦うと色々危うい。そもそも守るために来たのにそれをするのはなぁ。


 かなり悩ましいがもう国連軍は撤退していた。超常バトルが繰り広げられていたのだ。逃げたいに決まっているだろう。


 我は解放した力を解除する。


 すると。頂上にある青年が見えた。我が忠誠を誓った、あの人物が。


「エクスカリバー!!」


 青年は急いで降りて我の所に向かってくる。前に会った時と違う所が一つある。剣を持っている。しかも、見慣れた剣。あれは、アーサー王の聖剣?


 なぜここに来ているのかという疑問より、なぜ持っているのか。そちらの疑問のほうが強かった。


「青年!なぜ、聖剣を?」


 我とかなり距離があったはずだが、もうすぐ近くにいる。疲れてもいなさそうだ。


「ま、色々ね。」


 そう言って、モルドレッドの前に立つ。


「僕は、あ、違う。私は、アーサー2世ッ!!」


 え?


 我は耳を疑う。


「モルドレッド!!私がお相手しよう!」


 ――――――


「聖剣ありました!!」


 湖の中心に聖剣らしき剣が浮いている。


 一言で言うと神々しい。


『うむ。深さはないから、走って取ってくれ。』


 聖剣を取ると、剣の重みは無く、片手で扱える。そんなに僕、筋力ないんだけどな。


『これで君はとても強くなった。エクスカリバー並とはいかないが、円卓の騎士に入れるレベルだ。』


 えぇ。本当に僕が使っていいんですか...。


『さて。君が来た道を戻り、雪山に行くといい。エクスカリバーとモルドレッドという人が戦っている。』


「そこに行って、なにをすれば?」


『簡単だ。モルドレッドに君の実力を見せてやれ。』


「死にませんか?それ。」


『聖剣を持っているし、エクスカリバーもいる。大丈夫。後、一人称は僕ではなく、私と言いなさい。』


「なぜですか?」


 私、としなくてはいけないのだろうか。今まで僕、と言っていたから、多少愛着が湧いているのだが。


『君は、アーサー2世と名乗るのだ。だから、私、と名乗れ。』


「名前を使っても本当にいいんですか?」


『世界を変える為に、大層な肩書は必要だ。』


 今まで苦労したんだ、と一言足すように呟いた。


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