最終決戦。~アーサー2世VSマーリン~後編(3/12一部修正版)
「たかが姿が変わっただけで私に勝てるとでも?」
マーリンがバカにしたようにふっと笑う。
「そうか。お前には分からないよな。」
僕もバカにする笑みを浮かべる。
「...その笑みを消してやるぞ!」
杖を掲げてブツブツと呟く。
隙だらけだ。
走って一気に距離を詰める。ここに至るまで、一つの仮説が僕の中に浮かんでいた。
それは、マーリンの未来予知は未来そのものを自分の目で見る事をしているのではないか。
つまり、行動が終わる前の時点で既に知っている、と言うことは、手数を増やし、一撃一撃を致命傷にする。
そうすれば、マーリンは一撃をもらう確率も、倒れる確率も上がる。
前の僕には出来なかったかも知れないが、今の僕になら、
出来る。
瞬きの瞬間に3手、さらに数秒で体を限界まで酷使しつつ4手、攻撃を加えた。
合わせて7手。数秒で攻撃した。もちろん、回避した方向を予測し、攻撃を与えた
―――はずだった。
ジャンプし、空中に浮遊している。
しまった。あれでは、攻撃が届かない。
「弱い。脆い。単調。」
はぁと溜息を吐かれる。
「
赤、青、緑、黄、黒の5つの丸い光が1つに集束される。
「
集束された光が僕の所に向かってくる。
すぅ。
一呼吸。心の中で喝をいれ、集中する。それに呼応するように双剣の金と銀の色がより強く輝く。
横に吹き飛ばすのではなく、相手に返す。そのために、刺突させる。
双剣を重ね、引く。マーリンのいる所に方向を合わせる。
「どらぁあぁ!!」
光がマーリンの所に弾き返される。
「面倒なやつだな。」
マーリンは僕が弾いた光を簡単に消す。
「終わらせようか。」
マーリンの目が紫色に輝きだす。
「
世界が書き換わり、楽園と化す。
「さようなら。アーサー2世。」
杖を使ってマーリンが扉を作り、この楽園を離れようとする。
『意識を変われ。青年。』
そうじゃないか。アヴァロンには、正真正銘の王がいるではないか。
――――――
『「誰を待つんだ?」』
その声でマーリンは扉を開けようとした手を止める。
「アーサー王...!!なぜ!あなたもが私の邪魔をする!」
『「
マーリンも変わってしまった。
私の手で、終わらせよう。
『「
エクスカリバー。よく頑張ってくれた。ありがとう。
「アーサーを見れない...?未来予知が出来ない!」
この技はマーリン対策で編み出した技。自分自身の未来を他人に干渉されない。我が道を進むだけ。
「私は...戦わないぞ...!」
マーリンが再び扉に手をかけ、開けようとする。
『「舐めすぎだ。マーリン。未来予知に頼りすぎたんじゃないか?」』
私は、扉に手にかけていた右腕を振り飛ばす。
「ぐぅぅぅ...!」
『「青年の言葉を借りると...そうだな。」』
青年がマーリンに対して言った言葉。私もマーリンを見ていて胸糞が悪くなっていた。
『「黙って死ね。マーリン。」』
私はマーリンの首を刎ねた。
すると
これで、少しは過去を清算できた...かな...
―――――
現実に帰ってきた。
僕はただ立ち尽くしていた。
ありがとうございました。アーサー王。
すると。
片方から、知らない青年が、もう片方からモルドレッドがやってくる。
もう、戦いは終わったらしい。2人もボロボロである。
知らない青年に無言で剣を構えられた。
これが、最後だろう。
「あいつは、ランスロットです。」
モルドレッドに言われ、ガヴェインが負けたことに気付く。
そして、モルドレッドと共に剣をランスロットに向けた。
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