第22話 昔話しはズレていき

 ルルさんは私の怪しい処を見えないサリーさんにどう説明するべきか悩んでいると、笑いながら坊ちゃんが話し始めた。

「簡単には説明できないけど、僕が一番変だと思うのは、魂だけの存在なのに魔に染まる事なく存在し続けているところが一番変だよ。」

「あぁ確かにね。普通の霊は物や場所に憑く。そして魔になるのが抑制される。正気を保てる。だけど«これ»は、違う。」

 ルルさんにそう言われてほんのり自分の異常さが気になってしまいますね。そう考えていたら、サリーさんの声が聞こえてきた。

「何故そのような存在と、友誼を結んだのですか?」

 不思議そうにルルさんに話しかけると、ルルさんは笑いながら

「昔から怪しいと思っていたがね。ただ怪しいのと、危険なのはまた別だよ。」

 そう言ったルルさんのあとをつなぐように坊ちゃんも、サリーさんに説明を加えた

「僕は生まれる前からの付き合いだからね。それに怪しいにも理由があるからね。何というか話せば話すほど説明が難しいけど、とにかく良い霊なんだよ」

と、聞いても納得するのが難しい説明をサリーさんに笑いながら話した。

 その説明を聞いたサリーさんも何とも言いがたいような顔しながら納得はできないが、危険はない事を聞いてとりあえず疑問を口の中に留めたようだ。

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