第10話 坊ちゃん〔ロルカ〕とお話ししましょ1
ルルさんと坊ちゃんがいる場所に案内してもらおうと歩き出したら、この屋根の下の建物の商館だそうで、市場の近くに取引をしやすいように借りたのだそうだ。
ルルさんはそう説明して、建物の脇にある木に飛び移り開いてある窓から部屋の中に入った。私はルルさんの後を追うようにして、宙に浮きながら入った。
中に入ると、そこは寝室のようでベッドが置いてあった。部屋自体は一人用には少し大きめのベッドと机と椅子が一つ置いてあり、ベッド横に小さめのタンスが置いてあった。
「ここは誰の部屋なの?」
と私が聞いたら、ルルさんは後ろにいる私を見ることなく
「ここは坊の部屋さ、と言っても、この本店に来た時だけ使用するだけだから殺風景だろ?私らがいない時は仕事で泊まる人用や、荷物置き場になったりするらしいようだね。私らは、基本商隊であちこち回っているから、年にどれくらい使用するかな?普段の生活は箱馬車の方が多いからねぇ」
そう言って薄く開いていた扉を開けて廊下に出た。廊下を歩いて一番奥の部屋の前に行き声をかけた。
「ロルカ、私だよ!開けとくれ、懐かしい奴を連れてきたよ!」
そう声をかけたら、部屋の奥からバタバタ音が聞こえ扉が開いた。そして久しぶりに見る懐かしい顔が目の前に現れた。
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