第四章「新たな友と思わぬ刺客」
第十七話「初対面のクラスメイト」
どうしたものか……
朝の会終了後、私は困っていた。
「今週末に自然散策へ行きます。各グループの人数は五人。その中からリーダーを決め、リーダーは同じグループのメンバーを明日の放課後までに私に報告してください」
先生が去った後、振り返ってティーナの席を見る。すると当然のごとく人が群がっていた。アイテムを使わなくなったとはいえ完全に効果が消えたわけではなく、彼女の人気は健在だ。
確実に彼女と同じグループになることは無理だろう。
だとしたら次に声をかける相手は誰か。リリアとリルカじゃないだろうか。向こうから声をかけてくることはなさそうだし、こっちから行くしかない。
じゃあ早速声をかけるとしましょうか。
席を立ったと同時に声をかけられた。
「あ、あの!」
「はい――えっと、あなたは?」
初めて見る女子生徒だった。
「あ、えっと、そのっ……」
緊張しているのだろうか、声が上ずっている。
「ゆっくりで良いですよ」
「そ、その、わっわた――」
「カルロ様っ」
振り向くとティーナが立っていた。
「あ、ティーナさん。今ちょっと他の方と話しているから――」
「その子、今いないみたいですけど」
「えっ?」
視線を元の場所へ戻すと、女子生徒の姿はなかった。
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