第七話「そして親友となる」

 翌朝、私はティーナの部屋の前にいた。

 声を出す勇気はなくて、無言でノックする。

 出てきた彼女は私だとわかると即座に部屋に引き入れた。

「おはようユイカ。朝からどうしたの?」

「いやあの、昨日の挨拶って――」

「あぁ、あれ……アタシなんて言ってた?」

「へっ?」

 呆然と聞き返す。わざととぼけているようには見えなかった。

「覚えてないの?」

「完全に忘れたわね」

「そっか……」

 私のこと親友って言ってくれたことも忘れちゃったのか……

「……嘘よ。だって自分で文章考えたんだもの」

「じゃあさっきのって演技!?」

 驚愕する私を見てエリナはケラケラと笑った。

「ちょっと!笑うなんて酷くない!?」

「あーおかしいっ!騙される方が悪いのよ!」

 彼女はひとしきり笑うと、急に大人しくなった。

「……でもね、昨日の言葉は本当。アンタさえ良ければこれからも親友として仲良くしてくれる?」

 私の答えは決まっていた。

「もちろん!」

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