幕間掌編1「色は違えどお揃いで」

フィアリダアンティーク店でアクセサリーを買うことにした私達。早速アクセサリーコーナーを物色する。

指輪は高いし、髪飾りはほとんど使わない。ペンダント?ブレスレット?うーむ、悩むなぁ。

「これ、良いんじゃないかしら」

そんな中エリナが指差したのは月の形をしたブローチだった。金と銀が一つずつ。中には雫があって見方によって色が変わるタイプの石が嵌め込まれている。これ、エリナに似合いそう。私は金の方を見て言った。

「私、金が似合うと思うな」

それを聞いたエリナは顔をしかめた。

「何言ってるのよ、銀の方が似合うわ」

今度は私が眉をひそめる。

「絶対金だって」

「絶対に銀よ」

なんでそんなことを言うんだろうか。私は叫んだ。

「エリナは絶対金が似合うよ!」

「ユイカは絶対銀が似合うわ!」

「「……えっ?」」

「あらあら、二人ともお互いに似合う方の話をしていたんですね」

メルダさんの言葉で我に返る。

そうか、エリナは最初から私には銀の方が似合うって言っていたんだ。

「ごめんなさい。私、勘違いしてた」

「ややこしい言い方しないでよね。でも、アタシが勘違いしたのが先だからお互い様よ」

「で、どうしますか?お二人様」

メルダさんが尋ねてきた。私は迷わず銀のブローチを、エリナは金のブローチを手に取る。

そして声を揃えて彼女に言った。

「「これください」」

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