本の知識を魔法として使用して、書架と呼ばれるダンジョンを探索するという、概要を聞くだけもワクワクする本作。
探索者(ブックワーム)の女性・ソフィーが、書架の創造主の持ち物であり少年の姿をとる本『セティ』と出会うことから、物語は幕を開けます。
本から具現化する力を駆使したバトルシーンは、臨場感たっぷり。
強敵に対しても、それぞれの能力を組み合わせたクレバーな戦法を取るなど、バリエーション豊かで非常に熱く、面白いです。
作り込まれた独特の世界観が目を引きますが、本作の魅力は何と言っても登場人物たちの関係性の変化だと思います。
最初はひたすら生意気なセティですが、彼に対するソフィーの態度が非常に柔らかくて優しくて、ものすごく好感を持ちました。
このセティがね、可愛いんです。だんだんソフィーに心を開いていって、ツンからデレが増えていく。読んでるこちらもすっかり保護者目線ですよ。
また二人と共に行動する探索者・リオンも明るいナイスガイで、ソフィーとは違う立ち位置からセティを導いてくれます。
書架の中しか知らなかったセティの世界が、どんどん広がっていく。まっさらな本に知識が書き込まれていく。
それと共に、書架の創造主であるアンブロワーズの秘密や、セティのきょうだいにあたる本たちの存在など、気になることがどんどん増えて、気づけば私も本の虫です。
多くの方が楽しめる物語だと思います。続きもとても楽しみです!
発想がまず、面白いです。
本に閉じ込められた「知識」を用いて冒険する。「知識」はさまざまな生き物の姿をしており、たとえば「水を操る知識」と「それを具現化した蛙」といった感じで、本から出てきた蛙をテイムして冒険を進めていく、そんな設定です。
で、この「本に閉じ込められた知識」。
もちろん人型も存在して……?
本から出てきた少年と書架のダンジョンに潜ります。本の少年は「知識を食べる」ことで真っ白なページを埋めていきます。そうして「本の少年」に書き込まれた知識はさらなる飛躍を見せて、強化された形で具現化します。
本作の面白いポイントはその発想の他にも、熱いバトル展開が挙げられますね。本を使役する主人公と、本の少年とが協力して戦うその様子は熱くなれること間違いなし。本の少年はまだページが真っ白なだけあって未熟なところも多いのですが、それも「知識」を得るうちに成長します。
これ、アニメで見たら映えるんだろうなぁ、と思いました。
ぜひ受賞してほしい!
そんな一作です。読んでみてください。
探索者は知識を求めて書架に潜る。
まずは一撃。本好きならこの一節の文章でぐっと心掴まれるはず。
本は異能力であり、探索者のパートナーとしてともに歩み、ともに戦う。
ぐっと掴む、どころの話じゃない。力任せに鷲掴みもいいところだ。
この物語の主人公が手にした本の正体が、そんじょそこらの本とは訳が違う。
これはもう特別にスペシャルだ。 鷲掴みされたハートごとぶるんぶるん振り回される特別なダンジョン探索が始まる。
僕はどんな本を連れて歩こうか。どんな書架に潜ろうか。そんなことを考えながら読むのがとにかく楽しい能力者冒険小説。この本、手に取って損はなしです!
すごく面白いです!!まだこの作品に出会っていない方はぜひ覗いてみてほしい物語です!
こちらの作品はカテゴリーで言うと「冒険もの」「ダンジョンもの」の作品だと思うのですが、まず世界観の構築がとても秀逸です。
この世界ではダンジョンを探索する者のことを「探索者(ブックワーム)」と呼びます。ブックワームは「書架(ライブラリ)」と呼ばれるダンジョンに潜り、珍しい「本(ブック)」を得るのが生業。そしてブックワームが集めるのは、様々な知識を有するブックです。ブックを獲得すれば高値で売れるだけではなく、その本が持つ特殊な能力を使うこともできます。
要はダンジョンに潜ってレアアイテムを獲得するということなのですが、世界観が「本」に関連しているところに個性とオリジナリティを感じます。他の作品では得られない、この世界だけの魅力が詰まっており、もうこれだけで冒険好きの読者はワクワクしながらページを繰ることとなるでしょう。かくいう私もその一人です。
ライブラリでブックを手に入れる際のバトルシーンは手に汗握る白熱さと緊迫感。ここが本当に面白く、手持ちのブックの知識(能力)をどう活かしながら攻略するのだろうと色々と考察しながら読めるのがとても楽しいです。
探索者(ブックワーム)のダンジョン攻略だけでも十分に面白いのですが、人の姿を取ることができるグリモワールの少年セティや、ライブラリを作ったと言われる魔術士アンブロワーズの死の謎、アンブロワーズが残したとされる7つの兄弟グリモワールの存在など、少しずつ謎が明かされていくところも読み応えがあり、早く続きが読みたくて仕方ありません。
ひとたび読み始めたらあなたはもうこの世界の虜。作者の個性が光る、けれども王道の冒険ファンタジー。万人におすすめできる素晴らしい作品です。
これは偏見なんですが、webでまで小説を読む人って、相当な小説好きだと思います。そういう方って大体は幼少期、ファンタジーをはじめとした児童書を、つまりは本を読み漁る子どもだったと思うのですが、どうでしょう? かつて校庭よりも教室で本を読むのが好きだった貴方、現在も本の虫な貴方、全ての本とファンタジーを愛する貴方たちへ、おすすめしたいのが本作「ブックワームは書架に潜る」です。
本作は魔術と探索の世界を描いた迫力満点の冒険ファンタジー小説です。「ブックワーム」たちが貴重な魔法の知識が詰まったマジックアイテム「本」を手に入れるため、ダンジョンと化した書架に挑む姿が、時に愉快に、時に壮絶に描かれています。
物語の主人公は、ブックワームのソフィー。彼女はある日、特別な本の少年セティの所有者となります。チョコレートを愛し生意気なセティは、まるで人間のようですがある特徴を持つ歴とした本。ソフィーとセティは、バトルアクション満載のダンジョン探索の旅に出ることになります。彼らは書架の中に巣を作る本たちと対峙しますが、本たちは知識を守るために獰猛な攻撃を仕掛けてくることもあり、彼らの戦いは容易ではありません。またセティもソフィーも、世界の根幹に関わる秘密を抱えていそうな……?
見事な筆力で、魔術と冒険、友情と裏切りが交錯する世界が描き出されています。読者は、ソフィーとセティの冒険に引き込まれ、彼らが直面する困難や成長を共に体験することができます。また、バトルシーンの緊迫感や、謎解きの展開も非常に魅力的であり、一気に物語に引き込まれることでしょう。
本作は魔術に満ちた世界での冒険を求める読者にピッタリな作品です。|頁をめくる《スクロールする》度に、魔法と知識、友情と勇気が交錯する素晴らしい物語が広がっていきます。ぜひ、この魅力あふれる小説を手に取り、ソフィーとセティの壮大な旅に参加してみてください。きっと、満足のいく冒険があなたを待っています。
入るごとに道が変わる空間――書架《ライブラリ》には魔術が刻まれた本が無数にひそむ。その知識を求め、潜る探索者の一人、ソフィーは一冊の本と巡り会った。
本の名はセティエム・グリモワール――少年の姿に変え、唯一成長する存在だ。
覚悟を胸に白い頁は知識に埋められ、知られざる謎は絡み合い紐解かれいく。
細部までこだわりが埋めつくされた世界観をぜひ味わってほしいです。説明できない自分が歯がゆいぐらいに素敵な世界にどっぷりとはまってください。
主要人物たちも魅力的なのですが、絶対的オーラを持つ敵たちが強い。強すぎます。
アクションも楽しめ、魔術の美しさに魅せられ、胸の高鳴りを抑えられない本をぜひ開いてみてください。
ダンジョンものはあまり馴染みがない。なので一般的な作品と比較はできないのだけれど、ダンジョン初心者も臆することなく潜り込んでみてほしい。未経験者も間違いなく楽しめるのを完全保証します!
「書架」に潜り、本(ブック)を探し求める探索者(ブックワーム)のソフィーが見つけたのは、「本の知識を食べて成長する」という、少年の姿をとる特別な本だった。
最高傑作であると宣う少年セティ、登場時はそりゃあ小生意気!まあまあのクソガキっぷりです。そんなガキンチョにも落ち着いて対応し、優しく導いていくソフィーのすばらしい安定感と、同業者リオンの助けもあり、少年は少しずつ成長し頼もしくなっていく。
その成長が読んでると嬉しくって、なによりそのツンツン具合が可愛くて!お母さんの気分を味わわせてもらえます。ソフィーの気持ちはきっとこういう感情なんだろうな。
書架に潜り、繰り広げられる戦闘も見どころの一つ。セティを取り戻そうとする、彼の兄姉を名乗る人物(本)との手に汗握る戦いは迫力満点。
それと、セティが戦闘で使う食らった本のタイトルがカッコよくってですね。氷華の兎(ラパン・ドゥ・ジーヴル)とか、こう、くすぐられるものがありませんか!?
カタカナ苦手って人でもちゃんとルビが振られてるので、いちいち覚えなくても大丈夫な親切設計。これ、ファンタジー好きなのにカタカナ苦手勢(私)には大きなポイントなんですよね。本当にありがたい。
ダンジョン、ファンタジー、人間ドラマ。一つでもピンとくるワードがあればハマるの間違いなし。オススメです!
書架はダンジョン。本はモンスター。
ブックワームと呼ばれる探索者が知識を求めて冒険する、ワクワクする世界観の物語です。
探索者のソフィーが少年の姿をした本、セティと出会うところから始まります。
初めは可愛げがありつつ生意気なセティ。自分なら本の力を引き出せると独りよがりな言動もありました。しかしいくら強くても探索は一人では上手くいきません。
ソフィーをはじめとして探索者の仲間、街での友達。書架の探索や他者との交流を通して人の世界を知り、学んでいきます。能力的にも精神的にも一歩ずつ成長するセティの姿は応援したくなります。
そして書架での戦闘シーンが熱いです。
相手の力を考察し、対策を構築し、連携して攻略。能力バトルの醍醐味を味わえました。
オススメの爽快な王道ファンタジーです。
新しい世界を一から創り出すことに定評のある作者様です。
今作はどんな新しい世界が待っているのかとワクワクしながら連載を待っていた作品でもあります。
まず魔法が生き物って時点でもうすごい。
生き物って言うとちょっと語弊があるのですが、知識を守るために生き物の形となって書架の中に巣を作っている……それが本(ブック)。そしてその本(ブック)――に記された知識を得るために書架に潜る人のことをブックワームと呼ぶ。
ね?
もうこの設定だけで読みたくなりませんか?
主人公はそのブックワームの一人で、ある日一冊の本を手に入れる。それは少年の姿をした本だった。
この少年セティがもう可愛いのなんの!
ちょっと生意気で、でも素直なところもあって、この年で立派なツンデレです。
可愛い少年を愛でるだけのお話ではなく(できればずっと愛でていたい)、書架にはセティを狙う何者かも潜んでいて……。セティは主人公のソフィーたちと一緒に戦いながら、自分の作られた意味を探していく――。
さぁ、あなたも魅力的な世界観に浸りながら、可愛いセティの成長を見守っていきましょう!
魔術師であるアンブロワーズは、本を納める書架を作った。ソフィーは、そんな書架を冒険し、本を集める探索者。本は所有者となった探索者の命令によって、様々な形に姿を変える。ソフィーはあるとき、少年の姿に変わる本と出会った──
本が動くという、わくわくが止まらない世界観。とっても面白いです!
ソフィーが出会った少年の姿に変わる本──セティは、所有者であるソフィーの言うことを全然聞いてくれず、なんだか生意気。けれど、ソフィーと冒険をしていく中で新しい知識や感情、モノに興味津々になっているセティの姿がとんでもなく可愛いのです。
怒ったり拗ねたり喜んだり落ち込んだり…チョコレートを与えると妙に素直になるセティが可愛くて仕方ない。本に対するソフィーのアツい想いにも、本とのバトルシーンにも、ずっとずっと心躍ります。
アンブロワーズが作った本にはどんな謎が隠されているのか?とってもオススメなファンタジー作品です。
本《ブック》──それは、古い魔術の知識と技術が閉じ込められた、手のひらに収まるほどの四角い石。
彼女が開かれていない本を開いた時、その本は人間の男の子の姿になった。
「俺の題名《タイトル》はセティエム・グリモワール。唯一、成長できる本だ!」
かの偉大な魔術師が残したダンジョン・書架《ライブラリ》で、探索者《ブックワーム》のソフィーと、唯一成長する本セティの冒険が始まる!
美しい描写と、ワクワクする謎、是非ご覧あれ!
「ごはんの前にやっちゃいたいことあるから、もうちょっと待っててくれる?」
「さっきのやつくれたら、待ってやる」
「さっきの?」
「あの……口の中でべたってなる」
「ああ、チョコレートね。じゃあ、はい、どうぞ」
かわいい会話も沢山あるよ!
書架はダンジョンで本がモンスター。
なんて、単純に言葉を入れ替えた世界ではないこの作品。
第一話から見せられる、いえ、魅せられる世界観。本を開けば生き物を模した魔法のような現象が現れ、一気に心を持っていかれます。ここにあるのは新しい冒険の世界なんだと、実感を持って没入させられて。
本を手に入れて、マスターになって、本の力を使役する……形を持つ魔法をテイムするというのが感覚的には一番通じるのでしょうか。本は開かれていると、それぞれ力に合う動物の形をしている事が多いようなので。
そんな世界観で主人公ソフィーが書架で手に入れた本は、なんと人間の男の子の姿をしていたという。その子セティは、とりあえずソフィーについて来る事になったけれど……?
子供らしさ爆発のセティのかわいらしさと今後の成長が楽しみで、そして次にどんな本が現れるのか。彼らはそれをどう攻略するのか。更には書架と本そのものにまつわる謎が気になって、読みが止められない作品です。おすすめ!
お星様3個しか付けられないのが悔やまれる作品です。
ファンタジーの醍醐味って、次に何が起こるのかわからないドキドキ感じゃありません?
魔王が存在するなら、悪の幹部との戦い
ダンジョンものなら、最下層に到達までのトラップや戦闘
そういうのも、わかりやすくワクワクしますよね。
ただ、そういう作品は数が多く、すでにある程度パターン化されているので、次はこういう展開なんだろうな……というのが予測できてしまう。
の、ですが!
こちらの作品!!
一言でいうと、ドキドキが止まらない!!!
よくある異世界ものではありません。
俺強ぇでもありませんし、無双でもない。
会話劇でもありません。
でも美しい描写に、魅力のあるキャラクター、舞台設定、散りばめられた謎、バディの掛け合い……
私たちの身近な本に視点を当ててるのも、とても……いいです(確信)
あらゆる魅力が詰まっているのに、とても読みやすい!
情景がすんなりと頭に浮かびます。
ちょっと違うファンタジーを探しているなら、ぜひ一度読んでみてください!!
いやはや、セティ君が大変とっても可愛いですねえ……!
ショタっ子なのに(ショタっ子らしく?)強気でプライドが高い。それでいて言動に見合った力も持ち合わせている。
とはいえ全知全能というわけでもなく、知らないこともたくさん。己の知らないあれこれに関心を寄せる様子もまた愛らしい。
と、ショタっ子の魅力ばかり語ってしまいましたが。
実のところ、本作いちばんの見どころは作り込まれた世界観だと思っています。冒頭から鮮烈な印象を残す炎の蝶に始まり、本や書架といった単語が異なる意味を帯びる魅惑の世界は、細部に至るまで幻想的に作り込まれています。
この背景があるからこそ、セティ君の特殊なキャラクター性にも説得力と魅力が生まれています。
ああ、話がどうしてもセティ君に戻ってくる!
でも本当に可愛いんですってば。なにしろ、一見ショタっ子に見える彼の正体は――
――おっと、危うくネタバレを入れてしまうところでした。
セティ君とはいったい何者なのか、それはぜひとも本編でお確かめください!